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2020年の台風1号は,5月12日に発生して17日に熱帯低気圧となり,19日には関東でも強い雨を降らせました。6月10日には台風2号が発生。日本には来ませんでしたが,香港では大雨による洪水が発生しました。
台風とはいろいろな被害をもたらすものですが,その一方で大きなエネルギーが渦巻いている様子には高揚させられます。そんなわけで,今回は嵐のゲーム「Tempest 4000」(PC / PS4 / Xbox One)でやっていきましょう。第40回ということもあり4000なゲームを。
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ユーアーマイソウッ! ソウッ!!
そもそも「Tempest」とは,Atariが1981年にリリースしたアーケードゲームです。1980年代を代表するタイトルの1つなので,小説「ゲームウォーズ」(原題:READY PLAYER ONE)に登場したりもしています。
ベクタースキャン(Atari初のカラーベクタースキャンを採用)方式のブラウン管モニタを採用しており,ベクタースキャンならではの自然な拡大・縮小描画による奥行きの表現は,当時としては突出したものだったでしょう。なお,カラーベクタースキャンのモニタに,コンパネはパドルコントローラを採用ということもあって,オリジナルの環境でプレイできる機会は非常に希少です。筆者は昔,イベントに出展されたものを一回触ったっきりです。
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その後継作が,1994年にリリースされたLlamasoftの開発によるAtari Jaguar用ソフト「Tempest 2000」。Atari Jaguarでは「Breakout 2000」や「Defender 2000」もリリースされていたので,“〜2000”というタイトルで1980年代の名作をタイトルのリメイクする流れがあったようですね。
「Tempest 2000」は,Atari Jaguar用ソフトとしてはトップクラスの評価を得ていて,3万本以上を売り上げたのだとか。Atari Jaguarの全世界累計販売台数は約25万台といわれているので,Atari Jaguarユーザーのうち12%が「Tempest 2000」を購入したということになります。
計算してみたところ,ファミリーコンピュータ版「ドラゴンクエスト」は,ファミリーコンピュータユーザーのうち約8%が購入していたことになるので,“ドラクエ超えの「Tempest 2000」”ということになりますね。いえ嘘です。母集団も標本も別種の統計を比べても何の意味もありません。ファミリーコンピュータは国内売上台数が約1935万台(任天堂公称),ファミリーコンピュータ版「ドラゴンクエスト」は国内売上本数が約150万本(CESAゲーム白書より)で,根本からダンチです。
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そして,ドチャクソにマイナーなシリーズ第3弾が,2000年にリリースされたNUON用ソフトの「Tempest 3000」。こちらもLlamasoft開発です。
NUONというハード……というか規格を知っている人は,ほとんどいないかと思います。これはアメリカのVM Labsが規格を提唱して東芝やサムスンがハードを製造した“ゲームを遊べるDVDプレイヤー”だそうです。ぶっちゃけ,筆者は本稿を執筆していて初めて存在を知りました。「Tempest 3000」の存在も知らなかったので,これまで「Tempest 4000」は“「Tempest 2000」のパワーアップ版だから数字を倍にした”タイトルだと思っていました。
知名度が激低なハード向けのソフトですので,ソフトの出荷本数も極めて少なかったらしく,調べてみると中古市場では6〜10万円くらいの価格で取引されているようですね。あとハードは15〜25万円くらい。あわせて買おうとするなら,2000年前後のホンダ・シビックが物によっては買えるくらいの予算になります。まあマジョーラカラーのドリキャス本体やNES用ソフト「Nintendo World Championships」の市場価格よりは安い安い。いや安くはない。
体中に風を集めちゃったりなんかして
Llamasoftは,2007年に「Tempest」シリーズの精神的続編と言えるXbox 360用ソフト「Space Giraffe」を自社パブリッシングでリリース。2008年にはグラフィックスエンジンを強化したPC版を自社サイトで販売し,2009年にはSteamでも発売しました。4Gamerでは体験版を配信していたりもしますね。
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ポップでカラフルなシューティングゲーム「Space Giraffe」の体験版をUp
イギリスのデベロッパLlamasoftが開発したシューティングゲーム「Space Giraffe」の体験版を,4Gamerにアップした。本作はカラフルなグラフィックスが特徴的な,ステージクリア型のシューティングゲームだ。自機である“宇宙キリン”を操って,迫り来る敵を撃退するのだ。
続いてLlamasoftは,2014年にPS Vita用ソフト「TxK」をリリース(日本未発売)。「TxK」はPC / PS4 / Androidでのリリース予定もあったそうですが,Tempestの権利を有するAtariから権利侵害の警告を受けて,PS Vita以外のプラットフォームでは開発中止となりました。まあ,「Space Giraffe」は斜めショットとかジャンプとかのオリジナル要素があったものの,「TxK」は基本的なゲームデザインがほぼTempestまんまでしたからね。仕方ないですね。
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Atariにワンパン入れられてTempestライクなゲームを実質的に作れなくなってしまったLlamasoftですが,「じゃあTempestに似てなきゃいいんだろ!?」と言わんばかりに,2017年にはPS VR対応のPS4用ソフト「POLYBIUS」をリリースしました。フィールド上のグリッドも無くなったし,Tempestの「敵が向かってくる」スタイルから「自機が向かっていく」スタイルになって,確かにTempestそのものじゃないけど,「フィールドがチューブ状のシューティング」というコンセプトは似てるし……ってか懲りてないっ!?
ちなみに公式サイトでは,開発者のJeff Minter氏が,Atariから1983年にリリースされたアーケードゲーム「Blaster」や,ひるいなき「S.T.U.N. Runner」,セガ・エンタープライゼス(当時)からリリースされた「スペースハリアー」や「アフターバーナー」,セガ(当時)からリリースされた水口哲也氏プロデュースの「Rez」などにインスパイアされたことを明らかにしています。
正直に言うと,Tempestシリーズはルール自体こそシンプルなものの,操作には慣れを要するうえ,「何が何だか分からなくなっているうちにやられる」シチュエーションが発生しやすいため,とっつきにくいタイトルです。それが,さまざまなゲームの要素を取り入れたためか,「POLYBIUS」は(見た目こそクレイジーながら)遊びやすいゲームとなり,高い評価を得ることに成功しました。日本のPS Storeでは未発売ですが,2018年にSteamで発売されたPC版は日本からも購入可能です。
その成功が認められたのか,AtariはLlamasoftとライセンス契約を締結。「TxK」は「Tempest 4000」として再構築され,元サヤというか出戻りというか,ともかく2018年にリリースされたわけです。
アメリカヤマアラシはヤマアラシよりモルモットに近縁です
そんな「Tempest 4000」ですが,怒られるほどTempest風味だった「TxK」が実際にTempestシリーズタイトルとして再構築されたわけで,簡単に言えば「Tempest 2000」のストレートなリメイクです。まあ,ゲーム自体はストレートとは言い難い,ゴリゴリのテクノが鳴り響く中でネオンカラーの幾何学模様風味なキャラクターがぐるぐる動く,奇怪なゲームですが。
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フィールドは筒状もしくは板状で,画面奥から押し寄せてくる敵に対し,それに捕まったり弾を食らったりしないように動きながら,ショットとボムで対抗していきます。
ストーリーがあるわけでなし,奥深い戦術が求められるでもなし,ひたすら音と光の中で敵を破壊し続ける。深夜3時くらいにやると丁度いい雰囲気ですね。そのまま寝落ちしたら,何かスゴいものと夢で出会えそうな気がします。プレイアブルなビデオドラッグって感じです(これを言うなら「POLYBIUS」こそがソレなんですが)。
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ゲームをリリースするペースで考えると,次の動きが見られるのはしばらく先かな……といった雰囲気のLlamasoft。2010年代初頭はiOSアプリに注力していて,Atariの「Robotron: 2084」を(勝手に)アレンジした「Minotron: 2112」などをリリースしていました。ただ,iOSのアップデートに対応できなかったようで,現在は配信終了となっています。そういったタイトルの復活にも期待してみたいところ……いやAtariがまた怒るかもな……なんか「Atari VCS」絡みで,Atariが「Tempest 4000」をリリース予定だとフカしーの,Llamasoftの開発者が「いや作ってないけど」と文句つけーの,角を突き合わせてる雰囲気だしな……。



































