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「レ・ミゼラブル」で知られるビクトル・ユーゴーは,このように述べました。
30年前に発売されたゲームが現行機に移植されて再び活躍していたりする,最近のゲーム市場もそんな感じですね。言わば「老年ゲームの青年期」です。
9月末頃,20年ほど前に「ちょっとオトナ向けのゲームプラットフォームです」という青年的なイメージで売り出されたゲーム機のソフトが,Steamでリリースされました。20年前なので“「老年の青年期」と言うよりか「中年の青年期」かな?”という感じだったりもしますが,今回はそれでやっていきましょう。
「I'm not BOY 誰だってBOYを捨てる時がくる」というキャッチコピーでリリースされたネオジポケットカラー用のソフト(およびネオジオポケット両対応ソフト)を複数収録した,「NEOGEO POCKET COLOR SELECTION Vol.1 STEAM EDITION」です。
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さよなら蒼き日々よ
「NEOGEO POCKET COLOR SELECTION Vol.1 STEAM EDITION」の収録タイトルは
- 「SNK GALS’ FIGHTERS」
- 「サムライスピリッツ!2」
- 「キング・オブ・ファイターズ R-2」
- 「幕末浪漫特別編 月華の剣士 〜月に咲く華、散りゆく花〜」
- 「餓狼伝説ファーストコンタクト」
- 「メタルスラッグ ファーストミッション」
- 「メタルスラッグ セカンドミッション」
- 「ビーストバスター 闇の生体兵器」
- 「ビッグトーナメントゴルフ」
- 「クラッシュローラー」
といった,計10本。3月18日に発売されたNintendo Switch用ソフト「NEOGEO POCKET COLOR SELECTION Vol.1」から,「頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM」に代わり「クラッシュローラー」を入れたラインナップとなっています。ちなみにSteam版だと「頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM」は単品販売です。
いずれもベースとなるタイトルがアーケード向けにリリースされていて,かつ「サムライスピリッツ!2」や「キング・オブ・ファイターズ R-2」などの続編タイトルが多めです。ネオジオポケットシリーズのソフトラインナップから“おいしいとこ取り”をしたという,最初からクライマックスな感じですね。「クラッシュローラー」はアルファ電子が開発し1981年にリリースされたアーケードゲームのリメイク版なので,ラインナップに追加されるとコンセプトのカラーが強められた印象があります。
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とくに注目したいのは,公式タイトルラインナップで筆頭に挙げられている「SNK GALS’ FIGHTERS」です。「THE KING OF FIGHTERS」シリーズをベースとしながら,「サムライスピリッツ」シリーズや「月華の剣士」シリーズのキャラクターも参戦,さらに本来はファイターではない草薙 京のガールフレンド・ユキや,やがm……もといミスXも登場するなど,携帯ゲーム機なりのコンパクトぶりながら,“お祭りゲー”感を強く打ち出せていたのが印象的です。
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ミスXは,2018年9月にコンシューマ版が発売された「SNKヒロインズ Tag Team Frenzy」(PS4 / Nintendo Switch / PC / AC)にDLCキャラクター第3弾として参戦。また「SNK GALS’ FIGHTERS」自体が“(SNKヒロインズ〜の)原点とも言える格闘ゲーム”とプレスリリースで言及されているなど,近年のタイトルにも影響を与えています。「SNKの女性キャラクターを中心に集めたスピンオフ」という意味では,アプリゲームおよびニンテンドーDS用ソフトで展開された「デイズ オブ メモリーズ」シリーズの原点とも言えるかもしれません。
近年のタイトルへの影響と言えば,「メタルスラッグ セカンドミッション」の主人公であるギムレット&レッドアイは「METAL SLUG ATTACK」(iOS / Android)および,前身の「METAL SLUG DEFENSE」(iOS / Android / PC)に参戦したりもしていますね。アーケード版準拠のドット絵に描き直されているので,初登場時は驚いたものです。
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「ビーストバスター 闇の生体兵器」は,筆者は存在を後年に知ったタイトルなので,こうやってプレイアブルになったことが意外であると共に嬉しいタイトルです。シリーズタイトルのアーケード向けガンシューティングゲーム「ビーストバスターズ セカンドナイトメア」は,稼働当時ハマっていたんですよ。ゾンビの手足がボンボン飛んでグチュグチュのSEが鳴りまくる「〜セカンドナイトメア」は,数あるゾンビ系ガンシューティングの中でも異彩を放っていて,けっこう多くのゲームセンターで稼働していた印象があります。
そんなボンボンのグチュグチュの関連タイトルがネオジオポケットカラーで出てる……ってことに,当時は気付けていなかったわけですよ。アートワークが全面的に変わってますし。1人プレイ用になったためか,タイトルから「ズ」も消えていますし。て言うかガンシューティングじゃなくてアクションRPGになってますし。
まあ雰囲気やゲームジャンルをガラッと変えてのスピンオフ自体は,2000年前後のSNKだと「あるある」の1つではあるんですけどね。「ザ・キング・オブ・ファイターズ 京」「ATHENA -Awakening from the ordinary life-」「真説サムライスピリッツ 武士道烈伝」などなど……思い返すと,たびたび視線が泳ぎがちになるラインナップですが。
こういうことを言うとディスっている感じになるかもしれませんが,筆者から言わせてもらえば,そういうのもまたSNKゲーの面白さです。「メタルスラッグ3」は自分の中でオールタイムベストゲームというくらいで,かつて芸文社が刊行していた「ネオジオフリーク」を愛読していて,「MVSX」も「NEOGEO mini」も買えるなら買うよってくらいの筆者からして,そういうのも面白さです。ホラ,SNKのゲームとSNKファンってそういうところあるじゃん? 「KOF」シリーズだったら,時折出てくるバランスブレイカーに困惑しつつも,そのドガチャカっぷりが楽しいみたいな!
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「メタルスラッグ3」だって大好きなものの「詰め込みすぎだろ!!」と思ったり,「KOF SKY STAGE」でファイターが空を飛んだときには衝撃のあまりひっくり返ったりしたものですが,それらも含めて面白いわけです。いろいろ存在したコミカライズ版も,サニーパンチとか武帝王とか聖剣士衆とかに「そういうゲームだったっけ!?」と思うのも含めて楽しかったですし,言うなればそれは「自由さ」……そう,そんな自由さが,SNKタイトルの魅力の1つです。
ちなみに近年でも,帝王向けパイプ椅子「ギ椅子」や八神 庵の「顔ポーチ」など,SNKタイトル関連製品には理解がちょっと追い付きにくい系の自由さがありますので,今後もSNKの暴走に期待したい次第です。
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GOOD-BYE青春
ただネオジオポケット自体について何か言おうと思うと,「そこもまた良い」トーンでなく,素でマイナスな表現が多めになるのは避け難いところ。よく言われている,発売と同時期に上位機種であるネオジオポケットカラーを告知していたことによる初動のブレーキは(水面下でいろいろあったのだとは思いますが)いだだけないものでした。仮に「安価なネオジオポケットを子機,上位機種のネオジポケットカラーを親機として,対戦プレイや協力プレイを楽しもう!」みたいな戦略だったら,まだ気持ちよく買えたかもしれませんが,ネオジオポケットが7800円(税別),ネオジオポケットカラーが8900円(税別)と,普通にそれなりのお値段でしたし……。
ソフトのラインナップも,最初期はスポーツ,テーブルゲーム,スロットが多く,ゲームボーイはもちろん,バンダイがキャラクターIPを活用していたワンダースワンと比較しても渋めな雰囲気でした。ましてゲームボーイの「ポケットモンスター」を追った“モンスター集め”系のゲームが出なかったのは,市場的に厳しかったのではないでしょうか。
それでも2000年になるとセガの「ソニック・ザ・ヘッジホッグ ポケットアドベンチャー」やサクセスの「コットン」,カプコンの「ロックマン バトル&ファイターズ」など,妙を感じるアレンジ移植が揃ってきましたし,SNKからも「クルクルジャム」や「ガンバレねおぽけくん(仮)」など個性的なタイトルが出てきました。ポテンシャルはあったはずなんですよ!
ハードウェア的にも,8方向メカニカルレバーは携帯ゲーム機史上ベストのパーツだと筆者は思っていて,今でも「アレ系のレバーを使ったバージョンのNintendo Switch用グリップコントローラをホリが出さないかな〜! 十字コン(L)もいいけどさ〜!」と願っているくらいです。マジで。超マジで。
大人とは裏切られた青年の姿である(by太宰 治)
当時のヒット商品・ゲームボーイを意識して「I'm not BOY 誰だってBOYを捨てる時がくる」と言ったものの,市場形成がうまくいかず,旧SNKと共に歴史の露と消えたネオジオポケットシリーズ。それが現代に復活,しかも初出は任天堂ハードで……というのはいろいろと感慨深いものがあります。「誰だってマインドをSWITCHする時がくる」といった感じでしょうか。
もしくは「任天堂はBOYだけのものじゃない」ですかね。実際,大人向けな表現の規制が一番ゆるいコンシューマ機って,今日では任天堂プラットフォームとなっている気がしますし。イェーイ,中年の青年期が輝くプラットフォーム!
それにつけても,何気に「ゲームボーイアドバンス直前の携帯機向けゲーム」は移植の機会に恵まれないので,こうしてプレイアブルになったのは嬉しいところです。
例えばゲームボーイなら,スクウェア・エニックスが「ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド RETRO」「サ・ガ コレクション」「聖剣伝説COLLECTION」と,積極的に現行機移植しています。傘下のタイトーからも「ダライアス コズミックコレクション 特装版」の特典として「サーガイア」がリリースされていますね。
ゲームボーイアドバンスなら,KONAMIから「Castlevania Advance Collection」が発売されましたし,カプコンからは「ロックマンゼロ&ゼクス ダブルヒーローコレクション」,“移植”の意味合いは異なりますがスティングの「ユグドラ・ユニオン」なども出ています。
しかしゲームボーイカラーは,Order 68で取り上げた「シャンティ」が海外でリリースされていたり,発売中止となったゲームボーイカラー用ソフト「Infinity」のNintendo Switch版含む再開発に向けたKcikstarterキャンペーンが9月にサクセスしたりはしているものの,こと国内では展開が見られないところ。ひと昔前のニンテンドー3DS向けバーチャルコンソールにしたって,ゲームボーイ用ソフト118本に対して,ゲームボーイカラー用ソフト25本でした(と言っても総タイトル数に対して約1割というカバー率は,ほぼ同じですが)。
とくにワンダースワン用ソフトなんて,移植があったのはキュートがSteamで販売,もしくは同社のXbox 360用ソフト「エスカトス」に収録の「ジャッジメントシルバーソード」か(本稿の制作中にNintendo Switch版が発表されて嬉しい限りです),バンダイナムコエンターテインメントが「SDガンダム ジージェネレーション クロスレイズ」の早期購入特典としてリリースした「SDガンダム ジージェネレーション モノアイガンダムズ 移植版」くらいではないでしょうか? あと「Riviera 〜約束の地リヴィエラ〜」は2000年代に移植・リメイクが複数出ていましたが……あ,これもスティングだ。
そんな市場にネオジオポケットカラー用ソフトがドカッと現れたのは,漠然と存在していた「物足りなさ」を一気に埋めてくれる喜びがあります。ラインナップ的にも「当時の旧作のアレンジ移植」や「近年に影響を与えているタイトル」があることから,「過去と今をつなぐ歴史の中間点」として味わい深いものとなっています。
「NEOGEO POCKET COLOR SELECTION」はVol.2にも期待したいところですが,果たしてどのようなラインナップになるのでしょうか。Vol.1はSNKタイトルのみでしたが,サードパーティ製ソフトもあると,また別の良さを味わえますよね。
先述の「コットン」は,最近は移植にリメイクに新作にゲスト参戦にと東奔西走していますので,呼べば気軽に飛んできそうな雰囲気があります。
また,「メモリーズオフヒストリア」(関連記事)でもプレイできない,オリジナル版の「メモリーズオフ〜ピュア〜」があっても良いかもしれません。
※2021年11月6日1:00頃追記。
初出時,「メモリーズオフヒストリア」に「メモリーズオフ〜ピュア〜」(以下,〜ピュア〜)が収録されていないとの旨を記していましたが,「メモリーズオフ ヒストリア 上巻」には再構成版の「〜ピュア〜」が収録されているため,文言を修正しました。
秋葉原の民には「けっこう安い。」でお馴染みのイオシスが唯一開発・発売したゲームソフト「デルタワープ」なんて入っていたら尖っている気がします。
テンプレ的なネタをヒネり無く使うのは少し抵抗があるのですが,やっぱり「水木しげるの妖怪写真館」で「見てくれよッ,この“油すまし”のベストショット!!」と言いたい人は多いでしょう。
それとも「スーパーリアル麻雀 プレミアムコレクション」でしょうか。
まあ,そんなことを言いつつ筆者的には「ガンバレねおぽけくん(仮)」が欲しかったりするんですけど。ゆるキャラ的で良いですよね,ねおぽけくん。ねおぽけくん!






































