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このプロジェクトは,「『ダンガンロンパ』シリーズの世界観を用いたコンセプトアート」をテーマに,東京コミュニケーションアート専門学校のゲームグラフィック&キャラクター専攻および,ゲームコンセプトアート専攻,ゲームグラフィック&イラストレーションマスターコースの学生約100名が作品を制作するというものだ。
2月10日には,優秀作に選出された3名の学生が自身の作品についてプレゼンテーションを行い,「ダンガンロンパ」の現プロデューサー榊原昌平氏が講評を述べるイベントが行われた。本稿では,その模様をお伝えする。
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ゲームグラフィック&イラストレーションマスターコース 2年のオスンフンさんは,「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」のゲーム内で使用されていた複数の写真を見て,緊張感のあるゲーム本編の雰囲気とは異なり,リラックスした映画のビハインドシーン(舞台裏)のようだと思ったという。そこで「映画『ダンガンロンパ』の収録現場」という旨のコンセプトを作り,作品制作に臨んだそうだ。
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そのコンセプトをより活かすために,「ダンガンロンパ」シリーズのシナリオを手がけた小高和剛氏が,映画監督として学生達に演技指導などをしている姿を描いたり,舞台裏のちょっとした出来事を思わせるテキストを加えたりしたという。
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榊原氏による講評:
非常に完成された作品だと思います。今回の課題には「自由な発想・解釈で」という意味が込められていたのですが,小高さんがキャラクター達に指示を出しているところを中心に,映画の収録現場を思わせる小ネタが散りばめられていて,本当に素晴らしいと感じました。
ゲームグラフィック&キャラクター専攻 2年の曽根原美緒さんは,「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」に登場する超高校級のアイドル舞園さやかを描いた。曽根原さんは,ゲーム内の2つの発言から,舞園さやかがアイドルという立場に執着していると考えたという。1つは「夢を叶えるために,何でもしてきた。嫌なことも含めて,何でも」という発言で,笑顔の裏で傷ついている心を表現するためにひび割れた鏡を描いたり,嫌なことの中に握手会が含まれていたとのではないかと解釈し,手形を描き加えたりしたとのこと。
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2つめの発言は,「私には,ここに閉じ込められている時間はない!! こんなことをしている間に,どんどん私たちが消えていく!!」で,曽根原さんは,舞園さやかが「アイドルであり続けなければならない」という強迫観念や夢を失うことへの恐怖を抱いているのではないかと強く感じたそうだ。そこでイラストの右側には,舞園さやかの夢の象徴であるアイドル姿の影を入れたという。そのほか,原作をプレイした人が楽しめるような仕掛けをいくつか盛り込んだとも話していた。
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榊原氏による講評:
舞園さやかの発言から「彼女の内面はこうなんじゃないか」と発想・解釈している部分が,まさに課題に沿ったものとなっていて,素晴らしい作品に仕上がっています。とくに彼女の生々しい側面に関して,ネタバレにならないよう作品に落とし込んでいただいているところも素晴らしいです。
ゲームグラフィック&イラストレーションマスターコース 2年の呉 暁偲さんは,「自分の弱さに必死に抗う姿の逞しさや美しさ」をテーマに,「絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode」の2人の主人公,苗木こまると腐川冬子を描いた。呉さんは,苗木こまるが普通の少女であり,ゲーム中で絶望的な現実から逃げたり,優柔不断に悩んだり,ネガティブに考えたりしながら,腐川冬子の助けを借りて物語を進めていく弱さに魅力を感じたそうだ。そこで,人間らしい弱さを持っているからこそ,その弱さや絶望的な現実に立ち向かい,成長していく姿が美しいということを表現しようと考えたとのこと。
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そうした表現をする上で重視したポイントは2つ。1つは苗木こまるの周囲にある泡や雲,もや,身体に巻き付いて水中に引きずり込もうとする触手などで,彼女のネガティブな性格や,絶望に瀕した精神状態を表現した。
もう1つは苗木こまるの表情やポーズ,つないだ手から発せられる光などで,水中でうまく動けない絶望的な状況の中における,たくましさや美しさを表現している。
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呉さんによると,ラフイラストの段階では苗木こまるのみを描いていたという。しかし彼女と腐川冬子は互いに欠かせない存在であり,2人でいることこそが彼女達の弱さでもあり強さでもあると考え,最終的な構図にしたと話していた。
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榊原氏による講評:
皆さんが「ダンガンロンパ」シリーズをどこまで認知しているか予想できなかったんですが,「絶対絶望少女」まで取り上げてくださるとは思っていませんでした。呉さんの作品は,苗木こまると腐川冬子の関係性までしっかり解釈して盛り込んでいただいており,また色相やデッサン,構図なども非常に素晴らしいと思います。
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