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講演では,直近の四半期だけでプレイヤーがRoblox上に290億時間を費やしたこと,そしてその広がりが180を超える国と地域におよんでいることに触れらた。クリエイターが作ってきたゲームは,書籍やレコード,ボードゲームと同じようにすでに文化の一部になった,というのが同氏の見立てである。この日の発表は,その土台の上に「もっと遊ぶ(More Play)」「もっと作る(More Building)」「もっと伸ばす(More Growth)」の3つを積む形で整理されていた。
最も大きな方針転換といえるのが,「Roblox Everywhere」と名付けられた構想だ。クリエイターは今後,自分のゲームをモバイル,PC,コンソール向けの単体アプリとして配信する選択肢を持てるようになる。プレイヤーがRobloxアプリを起動しなくても,クリエイターは自分のゲームを届けられるようになるわけで,遊び場としてだけでなく,開発と運用の基盤としてRobloxを外へ開いていく動きといえる。
その手前の一歩として用意されるのが,ブラウザでの実行だ。これまでもブラウザからRobloxのサイトを開いてゲームを探すことはできたが,遊ぶにはクライアントの起動が必要だった。2026年内には,ゲームの詳細ページ(Experience Details Page)からChromeでそのまま遊べるようになるという。対応ブラウザは順次拡大する予定で,アプリのインストールは不要。検索結果でもYouTubeでもX(旧Twitter)でも,友人から届いたメールでも,リンクを踏めばその場でゲームが始まるという状態を目指している。
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オフラインプレイへの対応も明らかにされた。クリエイターは今後1年のうちに,オンラインのマルチプレイと並行して,オフラインのソロプレイを有効にできるようになる。地下鉄でも飛行機の中でも,通信が不安定な場所でゲームを続けられるようにするのが狙いだ。正式な提供は2027年半ばの予定で,早期アクセスも実施するという。
プレイヤー同士のつながりにも手が入る。新しいフレンドチャットタブはゲームをまたいでついてくるため,フレンド同士で示し合わせて別のゲームへ一緒に移動できる。すでに提供が始まった音声入力を使えば,プレイ中に文字を打たず話しかけるだけで済む。年内にはクリエイターが,レースゲームの「start your engines」のような定型フレーズを「Quick Words」としてゲームに登録できるようになる。Quick Wordsは事前にポリシー適合性を審査したうえで配信されるので,年齢を問わず安全に声をかけ合えるという。
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遊びの幅そのものを広げる話もあった。Robloxは長らく3Dのマルチプレイ世界で知られてきたが,世界で最も遊ばれているゲームのなかには2Dやパズルも多い。短時間で遊べて操作も簡単なこのジャンルを,Robloxはこれまで十分に開拓できていなかった。そこでエンジン側に,平行投影カメラ(orthographic camera),アニメーションに対応した画像コンテナ,スプライトシートの直接読み込みが追加される。UI面でもぼかし,テキストの影,グラデーションの改善が入り,見た目の作り込みの幅が広がる。
ターン制の非同期マルチプレイへの対応も進む。自分の番が回ってきたことをプレイヤーへ知らせる通知システムが,10月にStudioのβ版へ入り,年内には正式版として提供される予定だ。
Robloxは自社のプラットフォームを,ゲームのためのクラウドOSだと位置づけている。エンジンとインフラ,そしてサービス群があるおかげで,どのクリエイターも即座にゲームを公開でき,数百万人規模まで無理なく広げられ,あらゆるデバイスの誰にでも届くというわけだ。
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その上に今,AIによる制作の層を重ねようとしている。単一のツールやモデルではなく,ゲームという複雑な対象に合わせた一式のシステムだ。
中核となるのが「Build」である。Robloxアプリに追加された新しいタブで,プロンプトを書けば誰でもゲームを作れるという。ニュージーランドでのアルファ提供開始から,Buildで公開されたゲームは約9000本にのぼった(2026年9月1日時点のデータによる)。さらに,Buildでゲームを作った数千人のユーザーのうち71%は,それまでRoblox Studioを一度も使ったことがなかったという。
Buildの公開アルファ版は,セルビアとシンガポールへ拡大する。RDC 2026の参加クリエイター全員にもアクセス権が配られることも発表された。この拡大にあわせて,新しいアセットライブラリ,デスクトップからの利用,そして生成結果を繰り返し手直しする機能といった,クリエイター側の制御を強めるしくみが加わる。
BuildとStudioを接続する取り組みも進んでおり,アプリから自分の作ったゲームを閲覧,運用,管理できるようにする初期の成果が示された。現時点でもアプリから分析データの確認と収益化の追加ができ,近くゲームの広告出稿もスマートフォンから可能になる。出先での素早い試行とStudioでの本格的な開発を行き来できるようにするのが最終的な狙いだろう。
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プロンプトからシーンを作る「Scene Generator」も年内に登場する。テキストのプロンプトと参考画像を与えると,動作する状態のレイアウトが生成されるので,あとはStudioで仕上げればよい。BuildとStudioの双方で動くものの,より細かい制御はStudio側に用意されるという。
クリエイターを取材するポッドキャスト「Made on Roblox」も始まる。第1回は「99 Nights in the Forest」の制作過程を扱い,9月中に配信される予定だ。
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クリエイターが制作したゲームを,より適切なプレイヤーへ届けるため,ランキングの仕組みも見直され,Robloxのランキングがプレイヤーの年齢をこれまで以上に考慮する方向に変更される。同社の見立てでは,年少のプレイヤーは短い時間で遊んで次へ移るゲームとの相性がよく,年長のプレイヤーは長く遊べる深いゲームへ向かう。そこでランキングは,公開後1週間だけでなく28日間,さらにその先までを見る形へ最適化されている。加えて,そのゲームがプラットフォームへ何人の新規プレイヤーを連れてきたかを測り,その数を伸ばす方向へ発見の仕組みを最適化する試験も進めているという。
プレイ動画を見てそのまま遊べる「Moments」タブは,アメリカで全面提供に移行した。9月中にはゲームの詳細ページに置かれた動画がMomentsへ流れ込み,10月にはタブ内のアバターをタップしてそのアイテムや背景を購入できるようになる。さらに数か月のうちに,Buildで作られたゲームがタブ内でそのまま遊べるようになる予定だ。
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収益に関連する発表も行われた。2013年にDevEx(クリエイターがRobuxを現実の通貨へ換える制度)が始まって以降,クリエイターがRoblox上で得た金額は累計50億ドル(約7700億円)を超えた。直近12か月では約17億ドル(約2600億円。2026年6月30日時点のデータ)。「Roblox Plus」は,2026年4月末に始まった月額4.99ドル(約770円)のサブスクリプションで,自分のゲーム経由で加入者を獲得したクリエイターにボーナスが入る。このインセンティブは,最初の4か月でクリエイター収益として3億Robux以上を生んでいる(2026年8月17日時点のデータ)。
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発表された「Roblox Wallet」と「Roblox Card」は,稼いだ金額をどう受け取るかを変えるものだ。Walletは,Robloxの金融パートナーであるAirwallex USが提供する口座で,Creator Hubから利用する。開設すれば,保留が解除されたぶんの収益が毎営業日,現実の通貨で支払われるしくみだ。年内にアメリカ在住で18歳以上の個人クリエイターのうち条件を満たす人から提供が始まり,国際展開は2027年を予定している。対象になったクリエイターには通知が届くそうだ。
Roblox CardはWalletと接続し,利用可能な残高をそのまま決済に使えるカードだ。カードが使える場所であれば,どこでも支払いに充てられる。提供開始は2027年の予定。
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なお,RDC 2026は9月12日まで続き,最終日の夜にはクリエイターを表彰するRoblox Innovation Awardsが開催される予定だ。



























