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ブースでは試遊台に加えて,2027年1月発売予定のNintendo Switch限定版に付属する「でびるんのぬいぐるみ」も展示されていた。多くのファンが足を止め,その愛らしくも癖(へき)強めな姿を見つめていた。
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本作はイベントでの初お披露目からわずか2年あまりで,Steamで「圧倒的に好評」(レビュー1995件,9月21日現在)を獲得するまでになり,世界展開も決まった人気作だ。実は筆者は,本作が初めてお披露目された東京ゲームダンジョン外伝から,本作を取材している。
当時は軽い気持ちで触ってみたのだが,あまりにキャラクターが生き生きと描かれていて,ついのめりこむように遊んでしまったことを覚えている。
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その後,あれよあれよという間に,イベントで大行列ができる人気作へと成長。作者のばやちゃお氏たちはファンへの対応で忙しそうで,会場で見かけても軽く会釈するのがやっと(笑)。
そして2026年9月,東京ゲームショウという大舞台で本作のSwitch版が目の前で動作していた。ただ取材してきただけの身で大げさかもしれないが,とても感慨深いものがあった。
本作の2年間の歩みと,ここからさらに広がりを見せそうな未来について,作者のばやちゃお氏と,プログラム担当のぽ氏にお話を聞いた。
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泣きながらローカライズ!? パブリッシャ選びの経緯は
4Gamer:
東京ゲームショウへの出展おめでとうございます。2年前の初お披露目から振り返ってみて,今の心境はいかがですか。
ばやちゃお氏:
本当にうれしいです。今までは日本語版しかなかったのが,英語版や中国語版も出せることになり,もう「来年からまたいろいろ始まるんじゃないか」みたいなワクワク感があります。
4Gamer:
もう1回リリースできますね(笑)。
ばやちゃお氏:
はい(笑)。思い返せばゲームダンジョン外伝の前のゴールデンウィークぐらいから作り始めて,1年半,1日も休まずに3人で作り切りました。
ぽ氏:
デバッガーさんも含めるともう1人いるんですけどね。メインは3人でした。
4Gamer:
今回,PLAYISMさんがコンシューマ版やスマートフォン版の移植,そしてローカライズを担当しているわけですが,パブリッシャの選定にはどんな決め手があったのでしょうか。
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ばやちゃお氏:
実はもともと,パブリッシングしていただくならPLAYISMさんがいいなと思っていたんですよ。
ぽ氏:
いくつか声をかけていただいていて,ある程度目星はついていたんです。
ばやちゃお氏:
でも実際に決まったのはSteamでのリリース後になったので,本当に取り扱っていただけるか少し心配していたんです。普通はリリースする前に契約をして,宣伝も含めて……というのが多いじゃないですか。「たくさん遊んでいただけているので,翻訳含めて取り扱っていただけないでしょうか」という感じでお声がけして,結果決まったので本当にありがたい限りでした。
ぽ氏:
PC版「でびるコネクショん」はティラノビルダーで作っていたんですけど,ティラノからの移植実績があったことも理由のひとつです。
4Gamer:
PLAYISMさんはローカライズにも強い印象がありますね。
ばやちゃお氏:
そうなんですよ。ローカライズもすごく丁寧にしていただけているんです。
これはPLAYISMの担当の方から聞いた話なのですが,中国語翻訳の方が,感動して泣きながら翻訳してくださっているそうで……。このゲームには,私自身の人生の悩みをいっぱい込めて作っていて,それも含めて楽しく遊んでいただけるよう作ってきたので,そう聞いて本当に,本当にうれしかったんです。
タッチ操作が可能になり,さらに高まる臨場感
4Gamer:
SwitchやiOS,Androidでも遊べるようになることで,日本でも遊べる人が一気に広がりそうですね。
ばやちゃお氏:
もう遊べない方がいないんじゃないかな?って感じです(笑)。やっぱりPCを持っていないからプレイできなかった,という方も多いですし,カジュアルめなゲームなので,なおさら遊んでいただける方が増えるんじゃないかなと思っています。
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4Gamer:
今回の新展開で,アピールしておきたいポイントはありますか。
ぽ氏:
まず,限定版に付属するぬいぐるみでしょうか。あと機種限定のおまけシナリオが見られます。
ばやちゃお氏:
今はSwitchとSteamとDLsite版のおまけが作ってあって,スマホ版でも新しくおまけを作ろうかなと検討中です。
4Gamer:
試遊していて感じたのですが,画面タッチでのプレイは本作にとても合う気がします。
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ぽ氏:
たしかに。マウスクリックとはまた違ってきますよね。
ばやちゃお氏:
このゲームって「自分の目の前にキャラクターがいる」という臨場感を大事にしているんですよ。実は,そのために画面の左右に「手」を描いているんです。だから今日,実際にタッチで遊んでいただけているのを見て,よかった……って実感しています。
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意外にも東京ゲームショウへの出展は今回が初めてだった
4Gamer:
2年前,こんな未来って想像できましたか。
ばやちゃお氏:
たまに「まさかこんなことになると思わなかったねー」ってお互いに言ってます(笑)。でも,「好き」を突き詰めて作ってきて,本当によかったです。
4Gamer:
ちなみに東京ゲームショウ出展は今回が初になるんですか。
ぽ氏:
そうですね。初めてになります。
ばやちゃお氏:
実は,去年も出展したかったんですよ。でも……SELECTED INDIE 80の審査に落ちちゃって,もう悔しくて!(笑)。
4Gamer:
なんと。でも今年はやってやったぞと(笑)。
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ばやちゃお氏:
「人の心を動かせるゲームを作れた」自信はあったんです。でもまだリリース前だったので,バカゲーというかネタゲーのふりをして隠してたんですよ。そこはまあ「分からないよな,しょうがないよな」って。でも,これでひとつ夢が叶いました。
4Gamer:
おめでとうございます。さて,最後に読者の皆さんに伝えておきたいことなどがあれば。
ばやちゃお氏:
移植版のリリースに合わせて,コラボカフェとかもしたいなと考えていて。ポップアップショップだったり,ゲームの外での展開もいろいろと……。
ぽ氏:
いろいろ企画していますので,ぜひ楽しみに待っていただければと思います。
4Gamer:
次回作についての構想などもあるのでしょうか。
ばやちゃお氏:
「でびるん」が落ち着いたらになりますね。まだ翻訳作業の対応とかで忙しいので,具体的に考えられていないんですけど,今度は別のゲームエンジンで作ってみたいです。
ぽ氏:
ティラノスクリプトだと,ノベルゲーム中心になりますからね。アクションとかパズルとか,ほかのジャンルにも挑戦してみたいんです。
ばやちゃお氏:
もちろん,ファンの人が一番求めてくださっているのは,私のキャラクターの表現や動きだと思うので,そこは絶対に崩さないですよ!
4Gamer:
でびるんも出たり,出なかったり?
ぽ氏:
どうでしょう。でもきっとこの先,別のゲームでも出るんじゃないかと思います。
ばやちゃお氏:
企業でゲームを作る人は「売れるものを作らなきゃいけない」気持ちが強いと思うんですけど,私は「一番作りたいものを作る」という信念は絶対に曲げたくないんです。
4Gamer:
だからこそ短期間である程度遊べるバージョンを形にできたし,その後も開発を続けてこられたとおっしゃっていましたね。
ばやちゃお氏:
だから,あまりビジネス臭がするのはよくないなと思っているんですけど……キャラクターをいろいろな形で楽しんでもらえるように展開していくうえでは,企業の方たちとコラボすることで,私たちだけじゃできないことができるようにもなります。
でも……やっぱり一番大事なのはそこじゃないんです。自分の作品作りの信念だけは絶対に曲げずに,作品の世界をもっと大きく広げていきたいと思っています。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
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昨今はインディーゲームに関する「こう作ればバズる」「マーケティング的にはこれが正解」といった,まことしやかなノウハウや情報が飛び交っている。
しかし,ばやちゃお氏たちが貫いたのは「まず自分たちが一番作りたいものを作る」というまっすぐな信念だった。「好き」を突き詰めたからこそ,完成まで走り続けることができたのかもしれない。
そして生み出された「でびるコネクショん」は,Steamで大きな支持を集め,PLAYISMをパートナーとして世界展開やコンシューマ機への展開へと歩みを進めている。
ロジックではなく,情熱と信念が世界にまで届いた「でびるコネクショん」のケースは,美談のようにも思えるし,逆にエンタメの世界の残酷さを示す話とも受け取れる。そして誰もが真似できるようなやり方でもないだろう。
それでもやはり……筆者はロジックではなく,気持ちの部分で「でびるん,おめでとう!」と伝えたくなったのだった。



















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