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[プレイレポ]シリーズ最新作「SILENT HILL: Townfall」を世界最速体験。新たな携帯デバイス「CRTV」を使う謎解きは骨太な仕上がりに
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印刷2026/07/29 16:00

プレイレポート

[プレイレポ]シリーズ最新作「SILENT HILL: Townfall」を世界最速体験。新たな携帯デバイス「CRTV」を使う謎解きは骨太な仕上がりに

 コナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)は2026年7月15日,メディア向けイベント「『SILENT HILL: Townfall』Media Premiere」を,esports TOKYO BAY studioにて開催した。このイベントでは,同社が9月24日にリリースする「SILENT HILL: Townfall」PC / PS5)の世界最速試遊会や,主要開発陣へのメディア合同インタビューが行われた。本稿では,当日の模様をお伝えする。


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ゲームの方向性を示す2つのチャプターをプレイ


 「SILENT HILL: Townfall」の舞台となるのは1996年,スコットランドにあるという設定の架空の島,セントアメリア。主人公のサイモン・オーデルは灰色の海に流され,ここに漂着したが,町に住民の姿はなく,深い霧と静寂が広がっていた。彼は異形の者たちや不可解な現象と向き合いつつ,自身の過去にまつわる謎を追うこととなる。

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 今回の試遊でプレイできたのは,セントアメリアに漂着したサイモンが,ポケットテレビ「CRTV」の信号を通じて看護師の女性・ゾーイを探す最序盤のチャプターと,立ち去った彼女を追って町の北部にあるメディカルセンターを目指す中盤チャプターの2パートだ。この2つのチャプターは,本作の方向性を明確に示すパートとしてチョイスされたとのこと。

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 本作のビジュアル面における大きな特徴は2つあり,1つは2.35:1という特殊な画面比率の「シネマスコープ」だ。ワイドスクリーンの画角を用いた演出は,「SILENT HILL」シリーズのフルレングスタイトルとしては初の一人称視点の採用と相まって,より映画的かつ芸術的な感覚をもたらしている。

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 もう1つの特徴は美しいスコットランドの町並みだ。今回は4K環境でプレイできたこともあり,霧に覆われた1990年代の閑静な港町からは,スコットランド特有の冷たい湿度のようなものも感じ取れた。実際,こうした町並みを再現するため,開発チームはロケハンを幾度も繰り返したという。

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 サイコロジカルホラーゲームである本作は,サウンド面も当然ながら徹底して作り込まれており,3D音響が没入感と臨場感を高め,恐怖をより身近に感じさせる。とくにうめき声や気配などクリーチャーが出す音は,視界が制限される一人称視点でプレイするうえでの重要な情報となる。

 またBGMは,サイモンがクリーチャーの視界に入りそうになると高まり歪んでいくが,それが最高潮に達する前に隠れると発見をまぬがれるなど,アクション・ステルスと連動した緊張感を演出している。

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 本作最大の特徴とも言えるCRTVは,「SILENT HILL」シリーズの定番だったラジオに取って代わるデバイスだ。使用すると画面左側にCRTVの本体(画面)が表示され,サイモンの周囲を徘徊するクリーチャーの位置を確認できるほか,特定の場所ではチューニングしてアナログ信号を拾うことにより,目的地への道順や謎解きのヒントを得られる。

 とくにヒント映像は過去に町で起きた出来事の追体験につながっており,登場人物の記憶や心理を表現する演出として機能している。

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 なお,CRTVで表示される映像の制作にあたっては,本作のプレイ動画やカットシーンを実際に録画し,古い機材で再生してどのような映像になるかを確認したとのこと。使用するケーブルをわざと傷つけたり,磁石を近づけたりして映像を歪ませるといった工夫も凝らしたそうだ。

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 クリーチャーとの戦闘では,近接武器と銃撃を使う。近接武器を装備している場合はガードも可能で,それを駆使した正面突破を試みることもできる。ただし耐久値がゼロになった近接武器は壊れてしまう。

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 一方,銃撃は遠距離からクリーチャーを狙えるが,弾数は限られており,発砲音がクリーチャーを引き寄せてしまうデメリットもある。しかし,それを逆手に取ったプレイも可能だ。筆者の場合,部屋の中で1体のクリーチャーを銃撃で倒した後に身を潜め,発砲音を聞きつけて寄ってきたもう1体のクリーチャーを背後から攻撃して倒すことができた。

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 遭遇したクリーチャーは倒すだけでなく,ステルス行動で回避することも可能だ。クリーチャーの位置をCRTVや目視で把握して遮蔽物の陰に隠れたり,ラジオなどのオブジェクトから音を出して注意を引いたりと,闇雲に戦うだけでなく,状況に応じてステルスを交える判断が必須と言える。

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 また今回の試遊では体験できなかったが,シリーズ恒例のマルチエンディングは本作にも採用されているとのこと。5つのエンディングが用意されており,特定の選択によってではなく,ゲーム中でプレイヤーが取った数々の行動の積み重ねが結果に反映されるという。

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 これまでのシリーズ同様,いわゆる「表世界」と「裏世界」ももちろん存在する。今回の試遊範囲だと最序盤パートは「セントアメリア海岸地区」,中盤パートは「セントアメリア地区(変異)」がそれぞれ舞台となっており,おそらく「変異」という呼称が裏世界を表現していると予想できる。ただし今回の試遊では,世界が切り替わるトリガーが何なのかまでは分からなかった。

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 全般的には,かなり歯ごたえのある謎解きが印象的だった。1つの謎を解くために複数のヒントが必要になる場合もあるし,それぞれのヒントも直接的ではなく,プレイヤーがその意味をしっかり考えなくてはならない。

 筆者は謎に集中するあまり「そもそも,今は何のために謎を解いているんだっけ?」と目的を見失うこともあった。もっとも,メニュー画面を開くとその時点で何をすべきか目標が示されるため,迷うことはないはずだ。

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 とくに最序盤パート終盤の謎は手強い仕上がりで,必要なアイテムの最後の1つがどこにあるか分からず町中を右往左往したあげく,ようやくCRTVでアナログ信号を拾える場所を発見した。しかしその映像を見ても解答に必要な4ケタの数字のうち2つしか読み取れず,結局残り2つは総当たりで探すことに。筆者自身の謎解きセンスのなさ,ナラティブ読解能力の低さを実感する結果となった。

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 ともあれ,そうした骨のある謎解きと,町のそこかしこに残された違和感,ジワジワ迫りくる恐怖,そして徐々に明らかとなっていく(と思わされる)過去といった部分は,本作が間違いなく「SILENT HILL」であるという証左と言える。シリーズファン,サイコロジカルホラーゲームファンとして,製品版のリリースに期待が高まるところだ。

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主要開発陣へのメディア合同インタビュー


 会場では,「SILENT HILL」シリーズ プロデューサーを務める岡本 基氏と,本作の開発を手がけるScreen Burnのライター&ディレクターであるジョン・マケラン氏に対するメディア合同インタビューが行われた。以下にその模様をお伝えする。

──「SILENT HILL: Townfall」の初報は2022年10月でしたが,実際の開発はいつ頃スタートしたのでしょうか。

岡本 基氏(以下,岡本氏):
 開発期間に関しては具体的にお答えできないのですが,2022年より前だとお考えください。

岡本 基氏
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──初期の構想から大きく変更された部分があれば教えてください。

岡本氏:
 開発スタートの段階では,まだCRTVはありませんでした。本作の開発会社であるScreen Burnと共同パブリッシャのAnnapurna Interactive,コナミデジタルエンタテインメントの3社でゲームを評価している中,新しいアイデアとして浮上した要素です。

ジョン・マケラン氏(以下,マケラン氏):
 CRTVを除くと,大きく変更した点はありません。どういった物語を描くのか,どんなゲームにするのかを基本的な指標とし,最初に提案した内容から逸脱することのないよう開発を進めてきました。 

──Screen Burnはこれまで中小規模のゲームを手がけてきましたが,そのノウハウや知見が,「SILENT HILL」という世界的なIPにもたらした影響などを教えてください。

マケラン氏:
 たとえば「Stories Untold」の企画・開発では物語とゲームプレイをうまく融合させることを強く意識したのですが,その経験が本作にもっとも大きな影響を与えたと考えています。
 私たちの手がけたほかのタイトルで用意した仕掛けや障害もまた,単にゲームを進行するために必要なものとしてではなく,すべてナラティブに直結する構造の一環として作ってきました。そこが本作においても,最重要ポイントだと捉えています。

ジョン・マケラン氏
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──ラジオに代わるデバイスとして,CRTVを考案・採用した狙いを教えてください。

マケラン氏:
 CRTVは,かなり初期の段階から構想していたデバイスです。Screen Burnの中では,ラジオをより積極的に活用するにはどうしたらいいかという課題を掲げていました。その結果,音を聞くだけでなく映像を見られるデバイスにすることによって,ストーリーの演出やゲームプレイへの組み込みといった,さまざまな可能性が爆発的に広がりました。ナラティブやステルスといった部分にも貢献したと考えています。
 またScreen Burnの過去作でも昔のアナログ技術を扱っていますが,今回のCRTVであらためて相性のよさを感じました。

──そうした古いデバイスやガジェットと「SILENT HILL」というIPの組み合わせが,どのような相乗効果を生み出すと考えていますか。

マケラン氏:
 Screen Burnにとって,少し古いアナログのデバイスやガジェットに使われていた技術は,思い入れのある大事なものです。また誰しも自分が昔触れていたもの,昔扱っていたものにはノスタルジーを抱くと思うのですが,チームとしてはそれを逆手に取ってプレイする人の心を掴み,そのうえで“悪用”するような演出を心がけています。
 そうした昔のアナログ技術は,今の感覚だと少々頼りない部分があります。本作においてもどこか不安定で,これに頼っているだけでは状況を打破できないというシーンを作ろうと考えました。

──CRTVがなければ成立しなかったシーンはありますか。

マケラン氏:
 お話ししたとおり,CRTVは初期の構想からあったため,本作のほとんどの演出やゲーム性の前提となっています。CRTVがなければ成立しないと言うよりも,どういう使い方をすればCRTVを活かせるかという観点のほうが大きかったと捉えています。

イベントの会場には,ゲーム中に登場する石碑を再現したオブジェが。複数のプラカードは,島と島外を結ぶフェリーが廃止となることに抗議するもののようだ
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──本作は,フルレングスの「SILENT HILL」シリーズとしては初の一人称視点を採用しています。ショートタイトルの「SILENT HILL: The Short Message」でも一人称視点でしたが,技術やノウハウなどの面も含めて,何か関連はあるのでしょうか。

岡本氏:
 開発会社と開発時期が違うので,直接ノウハウをやり取りするようなことはありませんでした。たまたま一人称視点で作るという企画が2本あったということです。

マケラン氏:
 両者の直接的な接点はないです。Screen Burnのチーム一同,ファンの皆さんと同じく新鮮な気持ちで「SILENT HILL: The Short Message」をプレイしました。
 本作において,CRTVがもたらすゲーム性は一人称視点でないと実現できない要素です。またほかにも,一人称視点ならではの違いを感じる部分があるかとは思いますが,雰囲気や演出で「SILENT HILL」らしい体験を提供できていると捉えています。

──試遊してみて,これまでのシリーズ以上にクリーチャーが手強いと感じました。これはステルスを駆使したプレイを推奨しているのでしょうか。

マケラン氏:
 プレイヤーが選択できる手段は,どの局面であっても複数用意しています。さまざまな選択肢がある中で,その状況にもっとも合っている,あるいはもっとも効果的だとプレイヤーが感じる手段を模索して,どうやればうまく切り抜けられるのか試してほしいです。

──本作の物語では,初代「SILENT HILL」における,町に隠された真実に迫るような部分と,「SILENT HILL 2」における自身に向き合うような部分の双方が描かれているように感じました。

マケラン氏:
 本作から感じ取っていただきたいのは,自分がサイモンの立場に置かれたらどうするか,どんなことを感じるかということです。それを強く意識してプレイしていただけると幸いです。

──ゲーム内では,色彩的に赤と黒が印象的に使われていますけれども,何か理由はあるのでしょうか。

マケラン氏:
 ゲームを進めていくと,赤と黒が主人公のサイモンにとって象徴的かつ重要なものであるということが,ナラティブに描かれていきます。ぜひご自身で確認してみてください。

サイモンがセントアメリアで最初に遭遇するフェリーの看板も再現
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──そもそもの話ですが,なぜ本作の舞台にスコットランドを選んだのでしょうか。

マケラン氏:
 やはり私たちの生まれ育った地で,もっとも馴染みが深く,描きやすい環境だからです。より精緻で自分たちが納得のいく表現にする,またプレイヤーから見ても説得力のある舞台設定を作るという観点からスコットランドを選びました。

──ご自身に馴染みのある土地が,凄惨な表現もある「SILENT HILL」シリーズの舞台になることについて思うところはありますか。

マケラン氏:
 もともとスコットランドは霧が深く,クリーチャーが跋扈しているというイメージがあり,「SILENT HILL」シリーズの舞台には適していると言えます。実際,霧の深い日には「今日は『SILENT HILL』っぽいな」という気持ちになります。

──ゲーム内で表現している「スコットランドらしさ」について教えてもらえますか。

マケラン氏:
 たとえば今回の試遊範囲だと,チャージ(プリペイド)式のカードを使って電力を供給するシーンがあるんですけれども,そこがまさしく1996年当時のスコットランドの状況を描いた部分です。実のところ,Screen Burnの若いスタッフだと知らないんですよね(笑)。
 それはあくまでも顕著な例ですが,ほかにも台所のレイアウトや家具の大きさといった屋内のかなり細かい要素まで,「これぞ,スコットランド」という光景をかなり多く散りばめています。

──マルチエンディングということですが,たとえば「SILENT HILL f」のように,どのようにプレイしても1周目は必ずこのエンディングを迎えるといったようなことはあるのでしょうか。

岡本氏:
 メインのエンディングは複数あり,どれでも1周目から到達可能です。隠しエンディングは「New Game+」から到達することになります。初代「SILENT HILL」や「SILENT HILL 2」に近い構造となっているので,「SILENT HILL f」のように特定のエンディングを見ていないと到達できないエンディングはありません。

マケラン氏:
 エンディングは単純な二択で決まるのではなく,ゲーム内でのプレイヤーの行動の積み重ねに左右されます。サイモンにどのような行動を取らせたのか,どのような操作をしたのかなど,なぜこのエンディングになったのか,しっかり腑に落ちるような体験ができるようにしています。


※映像・画面は開発中のものです
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