アクションRPG好きであれば,「三国志」の物語をテーマとし,公式に「ダーク三國アクションRPG」「ダーク三國死にゲー」を謳う
「Wo Long: Fallen Dynasty」 が強く印象に残っているだろう。同作では,魏・呉・蜀の三国時代が訪れる前の段階である黄巾の乱から,曹操と袁紹による官渡の戦いまでが描かれた。
そのナンバリング最新作
「Wo Long 2: Wings of Ember」 (
PC /
PS5 /
XBOX Series X|S /
Nintendo Switch 2 )が2027年初頭の発売に向けて始動した。今回,本作のα体験版をプレイできたので,その進化を紹介していこう。
『Wo Long 2: Wings of Ember』アナウンストレーラー
舞台は「長坂の戦い」。歴史のIFと新たな主人公が織りなすダーク三国志
α体験版の舞台は,三国志演義でも屈指の激戦として名高い「長坂の戦い」だ。ただし史実や演義の展開そのままではなく,劉備が龐統を伴って主人公の「援兵(NPC)」として参戦したり,諸葛亮が別行動を取っていたりする。また,本作の主人公である「武侠者」は,前作の「義勇兵」とは異なる新たな人物だ。
フィールド上で入手できる文書からは,前作の主人公らしき人物の足取りもうかがえる
長坂を攻める曹操軍。背後には妖魔の影がちらつく
主人公をサポートしてくれるNPCである龐統(左)と劉備
オープンワールドを思わせる広大な戦場と,立体的なアクロバット探索
前作との大きな違いは,「フィールド(戦場)」が広大になったことだろう。
戦場はいくつかの「地域」に分かれており,各地域にはチェックポイントや「敵営(拠点)」が点在している。チェックポイントに自軍の軍旗を立てたり,敵営を攻め落としたりすることで「制圧段階」が上がり,後述する「追加レベル」の上限や下限がアップするなど,戦いが有利になっていく。
α体験版で触れられた長坂は戦場全体の一部に過ぎないが,起伏に富んだ広大なフィールド内に複数のダンジョンが組み込まれており,一般的なアクションRPGのマップよりも広い印象だ。
長坂の一部。五角形のアイコンは「敵営(拠点)」を示しており,制圧すればファストトラベル地点としても機能する
マップ上のチェックマークの地点には宝箱が配置されていたり,新マスコット「風狸」がいたりといった小イベントが存在する
壁走りや三角飛びによるダイナミックな探索が可能
険しい山頂で見つけた洞窟の奥には,飛行型のボス「飛頭蛮」が潜んでいた
フィールド上には,とても勝てそうにない高い「士気ランク」を持つ巨大ボスが徘徊していることも
侵攻ルートの自由度も高く,正面突破が困難な敵砦の裏手に回り込んで奇襲を仕掛けたり,待ち伏せ用の落石ギミックを逆手にとって敵を殲滅したりと,オープンワールドライクな攻略を楽しめる。
さらに探索面では,壁走りに加えて2段ジャンプや柱を掴んで旋回跳躍する「柱ジャンプ」が追加。高低差の激しい地形をアスレチック感覚で踏破し,スキルポイントを増やす貴重なアイテムを探す面白さが大きく増している。
弩が並ぶ正面ルートを避け,背後から潜入することができた。こうした仕掛けは他の場所にもあり,石を落とす仕掛けを逆用して敵に浴びせられた
新アクションの「柱ジャンプ」。移動の幅を広げるだけでなく,攻撃への派生も可能だ
敵拠点を制圧し,武将を布陣! シミュレーションの戦略性を盛り込んだ新システム
フィールドに点在する「敵営(拠点)」の制圧も,攻略の大きな鍵を握る。
敵営内のチェックポイントを制圧して軍旗や標旗を立てると,敵の「士気ランク」が低下したり,キャラクター自身のレベルとは別の「追加レベル」が上昇したり,より強化される。ただし,キャラが倒されてしまうと追加レベルは下がってしまう。
拠点を完全に制圧すれば,回復薬(龍癒の壺)の使用回数増加や経験値(仙気)獲得量アップといった恩恵が得られる。さらに「製材所を制圧すると中ボスの戦闘エリアに材木落としの罠が配備される」といった軍略めいたギミックも用意されている。
拠点の防衛戦力を排除して軍旗を掲げれば制圧完了だ
巨大ボス「博父国人」戦。事前に製材所を落としておけばトラップでダウンを奪い,「絶脈」のチャンスを作り出せる
また,大型の敵営を制圧すると「配置マス」が開放され,手持ちの味方武将を配置できるようになる。武将には「劉備軍武将」「弓の名手」などのタグが設定されており,隣接するマスに同タグの武将を並べることで強力なシナジー効果が発揮される。
拠点を落として「制圧段階」を上げると追加レベルの上限・下限が底上げされるため,マップを丹念に攻略するほどキャラクターが目に見えて強化されていく。ボスへの最短ルートを駆け抜けるだけでなく,拠点を塗りつぶしていく戦略シミュレーション的な達成感も味わえる。
拠点への武将配置画面。ここだけ見ると,アクションRPGの画面とは思えない
変わらぬ「化勁」の快感。コンボカスタマイズや新武器「二節棍」も登場
バトルシステムは前作の骨格を継承している。武技や仙術の発動に必要なゲージ「氣勢」をめぐり,自分の氣勢は高めつつ,敵の氣勢を落として「氣勢挫かれ状態」に追い込んで必殺の「絶脈」を叩き込むという基本設計は健在だ。
あらゆる攻撃をノーダメージでいなしつつ氣勢を高める「化勁」の心地よさも,本作でしっかりと受け継がれている。苛烈な連続攻撃をすべて化勁で捌ききったときの高揚感も,一瞬の油断で命を落とす「死にゲー」としての硬派な手応えも,しっかりと維持されている。
巨大ボスの激しい一撃も「化勁」で見事に受け流せる
死亡時に表示されるおなじみの「一敗塗地」。敗北時に落とした仙気を回収しに戻る死にゲー的なシステムも健在だ
アクション面における大きな変化は,「氣勢攻撃」の廃止と「強攻撃」の導入だ。強攻撃はスキルツリーで習得し,弱攻撃の段数ごとにどの派生技を繰り出すかを自由に設定できる。
新武器「二節棍(にせつこん)」は,圧倒的な手数を誇るヌンチャクのような近接武器で,「横にかわしつつ一撃」「敵を打ち上げる」「前方へ踏み込んで連続攻撃」といった強攻撃が存在する。
弱攻撃1段目からの派生に「横にかわしつつ一撃」,2段目からの派生に「敵を打ち上げる」,3段目からの派生に「前方へ踏み込んで連続攻撃」というように,自分なりのコンビネーションを組み立てられるのが面白い。
手数が多く派手なアクションが魅力の新武器「二節棍」
弱攻撃からの派生ルートを自分好みにカスタマイズできる「強攻撃」
敵の大技を叩き落とす「凰技」の爽快感。立体的な死闘がここに
数ある新アクションのなかでもとくに爽快だったのが,「凰技軽功」と「凰技ジャンプ」だ。
ボスのガード不能技「秘技」に対し,上下に光が伸びる予兆には空中で敵を踏み落とす「凰技軽功」を,左右に伸びる予兆には「凰技ジャンプ」を合わせたい。決まれば敵の大技を強引にねじ伏せ,ダウンを奪える。操作自体はシンプルに統一されており,リスキーな秘技の迎撃に成功したときのリターンは極めて大きい。
さらに,飛び道具を弾きながら突進する「凰技ダッシュ」や,敵に発見されていない状態から高速接近して刺す「ダッシュ絶脈」なども追加され,戦闘のスピード感と立体機動性は大きく向上している。
空中からの秘技に対し,「凰技軽功」を合わせて叩き落とす。タイミングを合わせるのは難しいが,凰技軽功の判定自体は広いようだ
飛び道具を弾き,足場が悪い地形でも減速しない「凰技ダッシュ」
また,神獣システムは主人公自身が神獣の力を宿して変身する「神獣顕現」へと刷新された。発動中は,被ダメージ時に体力ではなく持続時間が減少する形式となり(「仁王」シリーズの九十九武器や妖怪化に近い手触りだ),切り札としての存在感を増している。
神獣の姿に変身する「神獣顕現」。発動中に「凰技化勁」を決めれば,神獣による特殊攻撃が発生する
もともと「Wo Long」のマップは面積が広めかつ高低差もあったが,こうした特徴をさらに強化し,広大なフィールドを駆け巡る内容になったのは正直予想外だった。状況によっては氣勢を全消費することもあった氣勢攻撃が,氣勢を気にせず普段使いできる強攻撃に置き換えられるなど,氣勢関連のシステムも整理が進んでいるという印象だ。
それでいて,死にゲーとしての手応えは前作以上である。体験版の最後に立ちはだかるボス「無支奇(むしき)」は,天井に掴まったり,壁を蹴って跳びまわるなど,トリッキーかつ素早い動きの強敵だ。頭上を取られて圧倒されそうになるが,新アクション「凰技軽功」をタイミングよく合わせることで地面へ叩き落とせるなど,本作の立体アクションをフルに活用する作りが見事だった。
体験版のトリを飾るボス「無支奇」。立体的な立ち回りが攻略の鍵を握る
フィールドのスケールアップ,武将の配置要素,そして立体的な新アクションの数々と,前作の強みを残しながら正統進化を遂げた「Wo Long 2」。今後のさらなる情報公開に期待したい。
撃破後に援兵として召喚可能になる「黄忠」(上)や,鳥のような妖魔「酸与」などボスの顔ぶれも多彩だ
シリーズのマスコット「食鉄獣」も登場
体験版クリア時に現れるビジュアル。燃え盛る船の群れは「赤壁の戦い」を予感させる