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本作は,読者が登場人物の一人となって物語世界に入り込み,自らの選択や行動を通じて展開や結末を形作っていく,生成AIを活用したインタラクティブノベルだ。
従来のノベルゲームやゲームブックのように,あらかじめ用意された選択肢や固定ルートをたどるのではなく,読者の行動に応じてAIがリアルタイムに選択肢を生成する点を特徴としており,提示された選択肢に納得がいかない場合は,具体的な行動を自ら記述することもできる。
あらかじめ決められた結末や運命は存在せず,クリエイターが定めた世界観や物語の骨格をベースにしながら,そこにAIによるリアルタイムの語りが融合することで,「読了後も終わることのない,自分だけの物語」を紡ぎ出せる。
今回4Gamerでは,そんな本作をいち早くプレイする機会を得られたので,簡単なインプレッションをお届けしてみたい。また記事の後段には,Katariteの開発者・KITO氏へのインタビューも掲載しているので,併せてご一読いただきたい。
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選択肢さえリアルタイムに生成される,次世代テキストアドベンチャー
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試しに「異世界勇者譚」と題された作品を選んでスタートすると,物語の導入部分が語られたのち,さっそく選択肢が表示される。どうやら戦士系か魔法使い系か,あるいはそれ以外か,ここでプレイヤーのクラスが選択できるようである。
魔法使い系を選んで話を読み進めていくと,また選択肢が現れる。自分を召喚した相手の話をとりあえずおとなしく聞くか,それともこの場を立ち去るかといった具合である。
このように,物語の進行に合わせて選択肢を選びながら,読み進めていくのが本サービスの楽しみ方というわけだ。
つまりある種のテキストアドベンチャー,いわゆるゲームブックのようなものと考えれば分かりやすいが,「Kataris」の場合,この選択肢すらリアルタイムに生成されたものとなれば話は違ってくる。しかも提示された選択肢が気に入らない場合は,行動を自由に記述することも可能なので,従来型のゲームブックとは一線を画した楽しみ方ができるだろう。
![]() 物語を進めていくと,それまでの行動に応じた選択肢が提示される。しかしAIが生成した選択肢が気に入らないなら,自由に記述することも。想像力を働かせて,次の展開を作っていくのだ |
![]() 重要な場面では,イラストも合わせて表示される。画像は仲間となるキャラクターだが,プレイするたびに違うキャラクターのイラストが表示されたので,登場する順番もランダムなようだ |
また,単にAIキャラクターとおしゃべりするだけのチャットサービスとは異なり,リソース管理や駆け引きが存在するゲームライクな体験ができるのも「Kataris」の強みの一つ。先の「異世界勇者譚」をはじめとしたストーリーには,マップ構造やキャラクターのコンディションといった要素も取り入れられていて,世界を立体的に表現する工夫が凝らされている。
さらに,一つの作品で深めたキャラクターとの「絆」を,別の物語世界へ継承できるシステムも備えている。たとえばファンタジー世界で一緒に旅をした仲間を,サイバーパンクの世界へ連れ出して,まったく異なる関係性や配役で新たな物語を共に始めるといった,作品の枠を超えた体験も可能だそうだ。
今回は物語の序盤しかプレイできなかったので,こうしたやり込み要素までは体験できなかったが,いわゆるスターシステム的なものが好きな人には刺さる要素といえるかもしれない。
基本プレイは無料であり,将来的には課金要素も用意されるというが,当面はすべての機能を無料で利用できる。
詳細は不明ながら「同種のサービスよりも優れた課金モデルを検討中」とのことなので,続報に期待しつつ,まずは無料でさまざまな物語を体験して,お気に入りのクリエイターを探すところから始めるのがよさそうだ。
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ただ物語を読むのではなく,そのなかで生きるかのような体験を届けたい――開発者・KITO氏メールインタビュー
まもなくサービス開始予定の「Kataris」だが,どんなサービスを目指し,何を実現しようとしているのだろうか。Katariteでプロダクトの企画とコアエンジン開発を手がけるKITO氏に話を聞いてみた。
4Gamer:
本サービスの制作経緯を教えてください。
KITO氏:
小説や漫画,アニメ,ゲームなど,物語にはさまざまな形があります。しかし,それらには必ず「最後」があるものです。もちろん,これは物語としては当然のことですが,生成AIという技術の登場に,私たちは一つの可能性を見いだしました。
クリエイターの才能とAIを組み合わせれば,「終わったあとも続く物語」を作れるのではないかと。すべてをAIに任せるわけではない。しかしAIがあってこそ実現できる新しい物語の形を,「Kataris」で皆さんと一緒に見つけられたらと思っています。
4Gamer:
なぜ日本でサービスしようと思ったのでしょうか。
KITO氏:
日本には小説や漫画はもちろん,ノベルゲームやテーブルトークRPGなど,キャラクターや世界観,物語そのものを楽しむ文化が深く根付いています。そして「好きなキャラクターとの関係性」や「もし自分だったらどうするか」といった,物語への深い没入感を楽しむ読者が非常に多い市場でもあります。これは私たちが目指している体験と非常に相性がいいと考えました。
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4Gamer:
どんな人に遊んでもらいたいですか。
KITO氏:
まずは物語やキャラクターが好きな人に遊んでもらいたいです。なかでも「もっと自由に行動したい」「キャラクターと自分だけの関係を築きたい」と考えたことがある人とは,とくに相性がいいと思います。創作の経験がなくても問題ありません。「Kataris」は作品を作りたい人だけではなく,物語が好きなすべての人が楽しめるサービスを目指しています。
4Gamer:
すでに日本語対応のストーリーがいくつか用意されていますが,これは今後増えていくと考えていいでしょうか。
KITO氏:
もちろんです。今後は日本のクリエイターの皆さんとのコラボレーションによって,冒険,ファンタジー,ミステリー,恋愛といったさまざまなジャンルの作品を届けていきたいと考えています。それだけではなく,ユーザーの皆さんが生み出す物語もまた,「Kataris」の重要なコンテンツになっていくでしょう。
4Gamer:
確かに自分でもストーリーを作成できるようでしたが,ハードルはなかなか高そうでした。
KITO氏:
物語をゼロから作ることにハードルを感じる人がいることは,私たちも重要な課題として認識しています。より簡単に自分の物語を作れる仕組みを,継続的に検討していく予定です。
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4Gamer:
サービス開始後は,ほかにどんな施策を用意していますか。
KITO氏:
サービス開始はゴールではなくスタートだと考えていますので,公式ストーリーやキャラクターの追加のみならず,ユーザーの投稿作品の紹介など,さまざまな企画を行っていきたいと考えています。また皆さんからのフィードバックを反映し,継続的にサービスの改善を図っていくつもりです。
4Gamer:
たとえば既存IPとのコラボレーションやタイアップのようなものは考えていますか。
KITO氏:
現時点で発表できるものはありませんが,外部のクリエイターやコンテンツとも相性がいいサービスなので,いずれはそういったものも実現していきたいですね。
4Gamer:
最後に,日本の読者に向けたメッセージをお願いします。
KITO氏:
「Kataris」が目指しているのは,ただ物語を読むだけではなく,皆さん自身がそのなかで生きるような体験です。同じ物語から始めても,誰を信じるのか,何を選ぶのか,どう行動するのかによって,その先は変わっていきます。
「自分だったら,この世界でどうするだろう?」
この問いを胸に,ぜひ一度「Kataris」の世界に入って,自分なりの答えを探してみてください。皆さん一人ひとりから,どんな物語が生まれるのか楽しみにしています。
4Gamer:
ありがとうございました。
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