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本作では,戦艦や潜水艦といった海軍ユニットが登場し,戦い方の幅がさらに広がるほか,すべてのゲームモードで協力プレイに対応。グラフィックス面も,「Beast of Reincarnation」などのゲームタイトルや「機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム」などの映像作品を手がけたスタジオ,SAFEHOUSEによってさらにブラッシュアップされている。
また,タイニーメタルシリーズとしては,アニメ「タイニーメタル:零戦線」(リンク)が発表されるなど,ゲーム以外のジャンルへの展開も活発になっている。
本稿ではそんな「タイニーメタル2」のプロデューサーを務める由良浩明氏へのインタビューの模様をお届けする。由良氏には,タイニーメタルシリーズに加えて,かなり長期のプロジェクトとなっているRPG「Project Phoenix」についても聞いているので,ぜひ確認してほしい。
![]() 由良浩明氏 |
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。先日のテストに加えて,このブースでも試遊させてもらいましたが,現在の開発状況はいかがですか。
由良氏:
絶賛炎上してます(笑)。最終段階ですが,やっぱりバグがたくさん出ていて,システムを一新しました。
第1作の「タイニーメタル」は元々3人で作っていて,特にSwitch版は,かなり無理をしてリリースしたんですが,現在は30名弱で作っています。かなり大勢になりましたが,やっぱり1つずつ調べていくと,システムがちゃんとしていなかったりとか,パッチを当てることによってほかのものが壊れたりとか,そういうことが起こっています。
4Gamer:
人数が増えたら,その分やるべきことも増えますから,なかなか余裕はできないですよね。
由良氏:
それが普通のことなんですけども,思った以上に苦戦していますね。ですが,やはりゲームはゲーマーのためのものだと思ってるので,クオリティはどんどん上げていきたいなと。
4Gamer:
テストでも今回のブースの試遊でも,「タイニーメタル2」では,協力プレイを前面に押し出している印象があります。多くの人にプレイしてもらいたいモードですか。
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由良氏:
そうですね。イメージとしては,子どもたち2人が学校から走って帰ってくるなりプレイするっていうのが,僕の夢です。そういう意味でカウチコープ(同じ部屋での協力プレイ)ってすごく大事だと思うんですよね。
特にコロナのときは,そういうことを経験する機会が奪われてしまいましたよね。みんなで遊べる場を作りたいと思って,協力プレイを入れています。
4Gamer:
なるほど。そういう話を聞いておきながら何なんですが,個人的には1人で2人のコマンダーを担当するのも結構楽しかったんです。単純に兵力2倍ではなくて,自分の中で連携を取るというか,そんな感覚がありました。それを狙っているところもありますか。
由良氏:
あります。ぶっちゃけますと,僕たちファミコンウォーズが大好きなので。「ファミコンウォーズDS」でコマンダー2人を自分で担当するのが楽しかったので,それも遊び方の1つだと思っています。
4Gamer:
シングルプレイ派の人も楽しめそうですね。7月に発表された新キャラクターのリサンドラについては,公開されている情報がまだ多くないと思うのですが,どんなキャラクターなんでしょうか。
由良氏:
リサンドラはフランス人なんです。Paris Games Weekに参加したとき,「こういうキャラクターがいたほうがいいんじゃないか」っていうフィードバックをすごくいただいたんですよね。これまでの「タイニーメタル」のキャラクターってみんなシリアスなんですよ。
4Gamer:
確かにそうかもしれません。
由良氏:
なので,そういうドキドキするようなキャラクターを1名入れてもいいんじゃないかと思ったんです。ただ,そのときメインキャラクターを担当していた高橋ゴウさんが動けなくて,コザキユースケさんにお願いしました。コザキさんが高橋さんのトーンを意識して作ったのがリサンドラです。
リサンドラは現時点ではコマンダーではなく,物を買いに行くとき,装備を持たせてくれるお姉さんなので,そういう意味合いでもほかのキャラクターとは違っていますが,アニメのほうでは彼女が何者なのかを掘り下げるので,面白いと思います。
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4Gamer:
アニメ「タイニーメタル:零戦線」についても詳しい話を聞かせていただければと思います。元から構想はあったんでしょうか。
由良氏:
以前からアニメは作りたいと思っていました。そもそも僕たちはガンダムに関わっているチームなので,映像化への思いは強いんです。映像でしか伝えられない物語もありますし。僕は子どもの頃から,アニメとゲームがつながっていないのが嫌だったんですよ。絵やスタイルが違ったり,同じ世界なのにストーリーがちょっと違ったり。ゲームと同じ世界に生きているアニメをちゃんと描きたいという思いがあります。
4Gamer:
あー,アニメとゲームの違いが気になるのは,なんとなく分かります。
由良氏:
もう1つすごく大きかったのが,アトランタで開催されているMomoConに,ガンダムの話をしに行ったときのことです。バッジをつけたまま,いいコーヒー屋さんに入ったら,イケイケのバリスタのお兄さんから「MomoConへ何しに来たの?」って聞かれて。
そこから「呪術廻戦」とか「鬼滅の刃」とかの話で盛り上がったんですが,こちらが「じゃあ君もアニメが好きなんだね,MomoCon行くの」って聞いたら「いやいや僕たちライトユーザーだから行かないよ」って。ってことは,アニメに対するリテラシーが急激に上がってるんだと思うんです。それがすごく大事だなと思っていて。
たとえばSteamでは年間2万タイトルほどがリリースされています。そういう状況の中でIPを愛してもらうには,いろいろなメディアを通して発信する必要があると思って,アニメを作りました。
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4Gamer:
かつてBlizzard Entertainmentで「オーバーウォッチ」のストーリーを担当していたマイケル・チュウさんが制作に参加されるそうですね。その経緯を聞かせてください。
由良氏:
マイケルとは長年友達なんですけど,元々うちのチームにはBlizzardの黄金期と呼ばれている2007年以降の5〜6年間に在籍していたメンバーが多いんです。私自身もそうなんですけど。
そういう意味でもBlizzardへのリスペクトを持っていますが,今回彼に頼みたいと思った理由がほかにもあります。タイニーメタルは日本のIPですが,海外のライターがストーリーを書き,脚本は日本人が書くというパートナーシップによって,もっといいものが作れるんじゃないかなと思ったんです。
マイケルは海外のさまざまな場所を見ていますし,日本のこともよく分かっています。でも英語しか書けない。なので英語でストーリーを書いて,日本語の脚本レベルでニュアンスを入れることでバランスが取れるのかなと。
日本語の脚本ができたら,マイケルに戻るんですよ。英語で書き直すときに日本語のニュアンスをピックアップして編集するんです。そういう新しい取り組みにチャレンジしてます。
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4Gamer:
今日のお話を聞いていても,由良さんがBlizzardから影響を受けたってことはかなり感じられるんですが,一方でSAFEHOUSEとして参加したガンダムの制作で,何か得たものがあれば教えてください。
由良氏:
僕たちはそれなりに慣れてるはずなんですけど,巨大IPと仕事する難しさはすごく身に染みました。ガンダムは歴史があって,いろんな人の思いがある。その中で仕事するのが非常に難しかったです。どういう風に思われるのか,多角的に見なきゃいけないのが一番の教訓でした。
4Gamer:
かなりセンシティブなお話なのかもしれませんが,具体的には,どのようなことがあったのでしょうか。
由良氏:
ガンダム特有かもしれませんが,制作側が見ているガンダムと,お客さんが見てるガンダムは違いますし,お客さんが見ているガンダムも,人によって違うんですよ。たとえば一年戦争が好きな人とか,ガンプラが好きな人とか。いろいろな人がいる中でそれを提供するのはすごく難しいなと思いました。
ファーストのままでずっと突き進んでたら,そういうお客さんにだけ出せばいいんですけども,ガンダムっていろいろなアングル,いろいろな世界観,楽しみ方があるので。それが一番難しかったですね。
4Gamer:
「タイニーメタル」では,アニメで新しい方向に踏み出すわけですが,そのあたりのノウハウって生かせそうですか。
由良氏:
そうですね。これから何をするかが大事で,このIPを展開するうえでどういう方向に持っていけば,未来の人や外部の人と気持ちよく仕事できるかっていうのは考えています。アニメの監督はスタジオカラーの小林浩康さんなので,もう外部の方と一緒に仕事しています。僕は仕事のしやすさがクオリティにつながると思ってるので,なるべく現場が仕事しやすいようにと意識しています。
4Gamer:
楽しみです。ちょっとお話を変えて,「Project Phoenix」についても聞かせてください。7月ごろ,主に海外で報道がありましたが,これから本格的に動き始めるということでよろしいでしょうか。
由良氏:
そうですね。止まっていた理由を説明させていただくと,明確な進捗を見せられない状態で話すのもよくないと思いましたし,スタッフを守りたい気持ちもありました。
13年前に「Project Phoenix」を発表したとき,僕自身はフリーランスだったんですよね。いろいろな仕事ができるわけでもなかったし,経験もなかったんです。今は100名近い規模の会社を持っていて,ケイパビリティがあのときと全然違うんです。
それに,バッカーさんにちゃんと約束したものを返したい気持ちがあるんです。僕は夢を語ったわけなので,どんな形でも,どんなに時間がかかっても,ちゃんとお届けするのが使命だと思っています。「Project Phoenix」は,来年からどんどん大きなアナウンスがありますし,もうちょっとテンポを上げて出していきたいと思っています。
4Gamer:
分かりました。そろそろお時間のようですので,「タイニーメタル」の新作や,「Project Phoenix」を待っている人に向けてメッセージをお願いします。
由良氏:
僕は1981年に生まれて,「アキラ」とか「王立宇宙軍 オネアミスの翼」のような,素晴らしい作品がどんどん生まれ,ファミコンも出てきてという時代を経験しました。
今は昔の巨大IPがどんどん膨れ上がって,僕もそのユーザーの1人としてすごく楽しんでいますけど,同時に,新しいIPを作らなければクリエイターは育たないと感じています。
みなさんには,ぜひ新しい,若いIPを楽しんでほしいです。驚くことがたくさんあると思いますし,ゲームの未来を支えるためにはその方法しかないと考えています。期待したものでなかったとしても,何らかの発見があるかもしれないので,ぜひそういう新しいIPをサポートしてください。
4Gamer:
ありがとうございました。

















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