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こうした課題を解決するために,Alcheが利用しているのが,Lenovoのプロフェッショナル向けワークステーション「ThinkStation P8」である。AMD RyzenTM ThreadripperTM PRO プロセッサ搭載の高性能ワークステーションを活用することで,仕事のワークフローはどう変わったのか。同社の背景アーティストであるYusuke Akaba氏(以下,Akaba氏)と,3DCGアーティストのmimic氏に話を聞いた。
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FortniteやUnreal Engineを使い,世界に向けたコンテンツを制作
Alcheでは,FortniteのクリエイティブモードとUnreal Editor for Fortnite(以下,UEFN)を使って,ゲーム内で体験できるコンテンツを数多く手掛けている。
これまでにバラエティー番組「逃走中」の世界観をベースにした「逃走中 CREATED IN FORTNITE」や,大ヒットソング「マツケンサンバII」を題材にした「マツケンサンバII Rise Up the World」,ロックバンド「ONE OK ROCK」のRyota氏が主催するプロジェクト「Melty Island」といった話題作を生み出してきた。
Fortnite上のコンテンツだけでなく,クラウドレンダリングを活用したものや,Unreal Engineを使った3DCGコンテンツなどにも取り組んでおり,スタッフの担当領域も広い。
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一方のAkaba氏は,主に3Dモデリングやテクスチャリングを担当している。Akaba氏も,「ゲームや3DCGの制作では一つのアプリケーションだけで作業が完結することは少ない」と話す。
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数年前のハイエンドPCが,いつの間にか制作のボトルネックに
ThinkStation P8を使い始める前にAlcheで使用していたPCも,決して低スペックなものではなかった。
「3,4年前であればハイエンドだったPCです。しかし現在の基準で考えると,ミドルレンジくらいになっていました」と,mimic氏は振り返る。
制作現場において,とくに大きなボトルネックとなっていたのが,複数アプリケーションを同時に使用したときの性能低下だ。
ゲーム制作では,3Dモデルを作りながらテクスチャを修正し,ゲームエンジンで表示を確認するといった作業を繰り返す。いちいちアプリケーションを終了して別のアプリケーションを開くのでは効率が悪いため,本来なら必要なツールをすべて起動しておきたい。
ただ,従来のPCでは,複数の重いアプリケーションを同時に立ち上げると,どうしても動作が重くなってしまう。Akaba氏は,「モデリングやテクスチャリングなど,いろいろな作業を,アプリケーションをまたいで行います。できれば全部同時に開いておきたいのですが,以前のPCでは,それをやると動作が重くなっていました」と説明する。
ゲーム開発環境そのものの要求スペックも上がり続けている。たとえば,5年前に公開されたUnreal Engineのサンプルプロジェクトと,3年前に公開された新しいサンプルプロジェクト「Electric Dreams」を比較するだけでも,必要とされるGPU性能は明らかに高まっているという。
Epic Gamesの開発者向けサイトを見ると,Electric Dreamsの推奨スペックとして,3.4GHzで駆動する12コアCPU,容量64GBのメインメモリ,容量10GB以上のグラフィックスメモリを備えた「GeForce RTX 3080」以上のGPUが挙げられている。
■Electric Dreamsのシステム要件
| 推奨スペック | 最小スペック | |
|---|---|---|
| CPU | 12コアCPU,3.4GHz駆動 | 8コアCPU,3.6GHz駆動 |
| メインメモリ容量 | 64GB | 32GB |
| GPU | GeForce RTX 3080 (同等かそれ以上) |
GeForce RTX 2080 (同等かそれ以上) |
| グラフィックスメモリ | 少なくとも10GB | 少なくとも8GB |
実際の制作現場では,Unreal Engineだけを動かしているわけではない。その裏でPhotoshopやSubstance 3D Painter,Maya,Blenderなどを立ち上げ,さらにGoogle MeetやZoomで通話をしながら,画面共有まで行うこともしばしば。
加えて,UEFNを使う場合には,エディターだけでなくFortnite自体も同時に起動して動作を確認する必要がある。CPUやGPU,メインメモリのどこか一つだけが高速であればよいわけではなく,PC全体に非常に高い性能が要求されるのだ。
処理を始めたら,終わるまで待つしかなかった
なかでも制作効率を大きく下げていたのが,レンダリングやシミュレーションなどの重い処理だった。動画を書き出すレンダリングは,CPUやGPUを長時間占有し,複雑なシーンとなれば処理時間も長くなる。
また,mimic氏は動画制作も担当しているが,近年は納品する動画の要求解像度も上がっているという。Fortnite関連の仕事でも,4K・60fpsの映像が必要になることがある。さらにショート動画と横長動画の両方を制作し,修正が入れば再びレンダリングしなければならない。従来のPCでは,こうしたレンダリングを始めると,ほかの仕事を進めることが難しかった。
「動画のレンダリングをすると,その間はほかの作業ができないような状態でした」(mimic氏)
Akaba氏が担当する3DCG制作でも同様だ。たとえば,流体シミュレーションを利用して形状を作り,その結果をもとにリトポロジーを行ってモデルを仕上げるケースがある。シミュレーションには数十分単位の時間がかかることも珍しくない。従来環境では,その処理中はPCが重くなり,別の作業に手が付けられなかったという。
つまり,処理に30分かかるシミュレーションなら,単純に30分の待ち時間が発生することになる。この「待ち時間」が積み重なることが,制作全体の大きなボトルネックになっていた。
求めたのは「1台ですべてできるPC」
ThinkStation P8を使い始めてから,制作現場の環境は大きく変わった。同社が求めたのは,特定の工程だけを高速化する専用機ではない。3Dモデリング,テクスチャ制作,シミュレーション,ゲームエンジン,映像制作など,一連の作業を1台でこなせる製品だ。
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Akaba氏は,「弊社は大きな会社ではありません。一人一人に,それぞれの作業に特化したプロフェッショナル向けPCを何台も用意することは難しい。だからこそ,1台で一貫してすべての工程をこなせるマシンが欲しかったのです」と話す。
その要求に応えるため,今回のThinkStation P8は,以下のような非常に余裕のある構成となっている。
- CPU:AMD Ryzen Threadripper PRO 7985WX(64コア128スレッド,定格クロック:3.2GHz,ブースト最大クロック:5.1GHz,L3キャッシュ容量:256MB)
- メインメモリ:容量256GB(DDR5-4800 RDIMM ECC)
- GPU:NVIDIA RTX 5000 Ada Generation
- 内蔵ストレージ:容量2TB(M.2/PCI Express接続)×2
CPUには「AMD Ryzen Threadripper PRO 7985WX プロセッサ」を採用。GPUにはプロフェッショナル向けの「NVIDIA RTX 5000 Ada Generation」を組み合わせた。メインメモリの容量は256GBで,ストレージも容量2TBのSSDを2基搭載している。
AMD Ryzen Threadripper PRO 7985WXは64コア128スレッド対応のワークステーション向けCPUだ。ThinkStation P8が搭載できるCPUのなかでも上位となる。
CPU負荷の高いコンパイルやシミュレーションといったワークフローで威力を発揮する製品といえるだろう。
また,256GBという大容量メモリは,複数の大規模アプリケーションやプロジェクトを同時に扱うAlcheの用途と相性がよい。従来はメモリ消費を気にしてアプリケーションを閉じたり,処理が終わるまで次の作業を待ったりする必要があったが,その制約を大幅に減らせる。
GPUのNVIDIA RTX 5000 Ada Generationも,3DCG制作や高品質なプレビュー,動画制作,さらにローカルでのAI処理など,GPU性能を必要とする幅広い用途を担う。
また,大容量の3Dデータや映像素材,各アプリケーションが生成するキャッシュを扱うため,ストレージ容量にも余裕を持たせた。PCの構成を検討する際には,実際に制作を担当するクリエイターだけでなく,社内のエンジニアとも相談したという。
ThinkStation P8では,豊富なカスタマイズオプションが用意されており,ニーズに合わせて最適な構成を選べるのも魅力となっている。
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Electric Dreamsを基準の一つとしつつ,実際には複数アプリケーションを同時に利用することを想定し,CPU,GPU,メモリ,ストレージそれぞれに余裕を持たせた構成とした。
mimic氏は,とくにGPU性能を重視したという。モデリングやゲームエンジンだけでなく,動画制作も行うためだ。高品質な映像をリアルタイムで表示しながらキャプチャしたり,高解像度で動画を書き出したりするには,GPUにも相応の性能が求められる。
実際にThinkStation P8を使い始めると,期待に応える性能を発揮したそうだ。
また,Akaba氏がまず実感した変化は,「PC操作時のもっさり感がなくなったこと」だという。
これは単にアプリケーションの起動が速くなったというだけの話ではない。重要なのは,これまで同時にできなかった処理を並行して進められるようになったことだ。
たとえば,流体シミュレーションを実行したまま,別のアプリケーションでテクスチャを作る。その横でマテリアルを編集し,さらにBlenderを立ち上げて次のモデルを制作する。従来なら,どれか一つの重い処理が終わるまで待ってから次の作業に移らざるを得なかった。
ThinkStation P8では,その「順番待ち」が大幅に減った。
ThinkStation P8の効果について,mimic氏とAkaba氏が繰り返し口にしたのは,単純なベンチマークのスコアや処理時間の短縮ではなかった。最も大きな変化は,「作業を待たなくてよくなったこと」と,両氏は振り返る。
「以前は,重い作業を一つ始めたら,それが終わるまで待つしかありませんでした。いまはシミュレーションをしながら,UEFNでマテリアルをセットアップし,さらにBlenderを立ち上げてモデリングするといったことができます。そこが僕にとって一番大きな違いですね」と,Akaba氏は話す。
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AMD Ryzen Threadripper PRO 7985WXとNVIDIA RTX 5000 Ada Generation,容量256GBのメインメモリという構成のメリットが,まさにこうした場面で現れている。
一つの重い処理を高速にこなすだけでなく,その処理を走らせた状態でも別のアプリケーションへ十分なリソースを回せる。それによって,PCの処理とクリエイターの作業を並行させられるようになったのだ。その結果,一つのプロジェクト全体で見ると,同じ時間内に進められる作業量が大幅に増える。
Akaba氏は,「1日にできる作業量が増えたことは,かなり実感しています」と話す。
待ち時間をブラッシュアップの時間に変える
クリエイティブな仕事では,納期までに最低限のものを完成させれば終わりというわけではない。時間に余裕があれば,モデルをさらに調整し,ライティングを見直し,マテリアルを作り込み,表現のクオリティを上げられる。つまりPCの性能向上によって得られた時間は,単なる時短にとどまらず,コンテンツそのものの品質向上にもつながる。
Alcheでは短期間で完成させなければならない案件も少なくない。従来のように一つ一つの処理で待ち時間が発生すれば,納期が近づくほど,「本当はもう少し手を入れたいが,時間がない」という状況が生まれやすい。
ThinkStation P8によって,複数の作業を並行して行いやすくなったため,その分,最後のブラッシュアップに時間を使えるようになったわけだ。
こうした効果は,それぞれの環境向けにモデルを最適化する工程でも現れている。ゲーム機やモバイル環境では,PC向けの高品質な3Dモデルをそのまま利用できるとは限らない。性能やメモリ容量などに合わせて,モデルやテクスチャを軽量化する必要がある。
リアルタイムで多数のライトを計算する代わりに,光や影の情報をあらかじめテクスチャへ焼き付ける「ライトベイク」という作業があるが,これもかなり重い処理である。以前のPCではライトベイクを始めると,ほかの作業ができず,待ち時間が発生していた。
しかしThinkStation P8なら,その処理を実行したまま,別のアプリケーションで次の作業を進められる。Unreal Engine側で設定を変更したり,別のアセットを準備したりといった作業を,ライトベイクが完了する前から進められるのだ。
ThinkStation P8の画面を囲みながら,「このルックがいい」「もう少しここを変えよう」と,その場で確認して調整できる。1台のPC性能の向上が,そのPCを使う人だけの効率向上にとどまらず,チームでの意思決定のスピードにもつながっている。
ThinkStation P8は,最終的な品質確認の方法にも変化をもたらした。以前の会社PCでは,最高画質設定でコンテンツを表示すると動作が重くなることがあった。そのためAkaba氏は,最終的にどのように見えるかを会社のPCよりも高性能な自宅のPCで確認することもあったという。
ThinkStation P8を使い始めてからは,そうした確認を会社でも行えるようになった。これは,さまざまなハードウェア上で動作するFortniteコンテンツを制作するAlcheにとって非常に重要だ。
ユーザーの利用環境は,Nintendo Switchのようなゲーム機から高性能PCまでさまざまであり,ユーザーによってグラフィックス設定も異なる。とくにFPSやTPSでは,フレームレートを優先するため,あえて描画品質や解像度を下げてプレイするユーザーもいる。制作側は,最高品質だけを見ればよいわけではない。描画設定を変更した場合にどう見えるのか,ライティングの印象がどのように変化するのか,といった点も確認する必要がある。
以前は,スタッフによっては「自分のPCでは最高画質で動かせない」「最高設定でキャプチャできない」といったケースもあった。ThinkStation P8なら最高画質でも軽快に動作するため,会社に集まったスタッフ全員で最終的なルックを確認できる。制作現場における「共通の確認環境」としても機能しているわけだ。
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これをやったら落ちるという不安もなくなった
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しかし,ThinkStation P8なら,通常の制作ワークフローで使用するソフトをまとめて立ち上げ,さらに負荷の高い作業を行っても,これまでのところ安定して動作しているという。
「最初は少しビクビクしながら使っていました。でも,それまでなら落ちるような作業をしても落ちない。そういう意味でもできることが増えました」(mimic氏)
256GBもの大容量メモリを搭載していることも,複数の制作アプリケーションを同時利用するうえで大きな余裕につながっている。PC性能の限界を気にしながら作る必要がなくなることは,数字には表しにくいが大きなメリットだ。クリエイターが「ここまでやったら危ないからやめておこう」と考えるのではなく,「まず試してみよう」と考えられる。ハードウェアの余裕は,制作そのものに対する心理的な制限も取り払う。
また,ゲームや3DCG制作では,ストレージの性能や容量も重要だ。近年はプロジェクトそのものが大容量化している。テクスチャの解像度は上がり,3Dモデルは細密化し,映像も4Kが一般化してきた。さらに制作アプリケーションが生成するキャッシュも無視できない。mimic氏は,以前使っていた環境ではキャッシュが数百GBに達することもあったと振り返る。
モデルやテクスチャなどは社内ストレージやクラウド上で共有していても,実際に作業する際にはプロジェクト一式をローカルPCに置く必要がある。過去のプロジェクトをアーカイブしたとしても,「以前作ったマテリアルを再利用したい」「あのアセットが必要だ」となれば,再びローカルへ持ってくることになる。気が付けばストレージの空き容量が数十GBしかない,というケースも珍しくない。
今回のThinkStation P8には,容量2TBのSSDを2基搭載しており,大容量化するデータへの対応を意識したスペックである。また,巨大なプロジェクトを扱う現在の制作環境では,ストレージ自体の速度も重要だ。Unreal Engineのような制作ツールでもSSD利用が前提になっており,大量のアセットを読み書きする際にストレージ性能が制作の快適さに影響する。
リモート作業で生きる「会社の高性能マシン」
Alcheは,会社の成長期が新型コロナウイルスの流行と重なったこともあり,リモートを中心とした働き方が定着している。
また,社外の業務委託スタッフとも離れた場所から共同で制作を進めている。こうした環境では,会社に高性能なワークステーションがあることが大きな意味を持つ。
mimic氏によると,以前は,会社にあるPCより高性能な自宅PCで作業をしていたそうだ。現在は,負荷の高い処理をThinkStation P8側に任せ,その間に自宅PCで別の仕事を進めることが可能になった。
たとえば,会社のThinkStation P8で動画をレンダリングしながら,自宅PCではモデリングやテクスチャ制作を進められる。
「ThinkStation P8側でレンダリングしている間に,自宅で別の作業を進められる。仕事をかなり早く進められるようになりました」と,mimic氏は語る。
興味深いのは,ThinkStation P8によって,リモート中心だったスタッフの出社動機まで変化しつつあることだ。Akaba氏によると,「自宅で作業するより効率がいいので,この作業は重いから出社してThinkStation P8でやろうということが増えました」とのことだ。
AIの活用でも効果を発揮するThinkStation P8
ゲームに限らず,さまざまなコンテンツの制作現場では,プロトタイプなどの作成でAIの活用が進んでいる。
プロトタイピングでは,AIで多数の画像を生成し,そのなかから方向性に合うものを選び,アイデアや世界観をまとめていくことも多い。高解像度の画像を数十枚まとめて生成するような処理では,高い性能が求められる。
高性能なGPUと大容量メモリを搭載できるThinkStation P8では,生成AIをバックグラウンドで動かしながら,別の制作作業を進めるのもお手の物だ。
さらに近年は,AIとBlenderやUnreal Engineなどを連携させ,自然言語による指示から制作ツールを操作するような仕組みも登場している。こうした環境でも,裏側ではAI関連の処理と3DCGアプリケーションの双方が動作するため,PCには高い処理能力が求められる。
AIに任せられる作業はAIが進め,その間に人間は別の仕事を行う。mimic氏は,AIを含めた作業の同時進行について,「本当に,自分にたくさん手が生えたような感じです」と,その効果を実感する。
とはいえ,AIが生成したものをそのまま利用するわけではない。AIが生成したものをもとに方向性を確かめ,そこから実際に人の手でアセットなどを作り込む。何を採用し,どう修正し,どこまで作り込むかという最終的な判断にはクリエイターの感覚が欠かせない。
AIは人間を不要にするのではなく,クリエイターが扱える仕事の幅を広げるものだ。その「増えた手」を十分に動かすためにも,PC側に余裕が必要なのである。
高性能ワークステーションで,約3か月の短期開発も
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従来なら,クライアントに見せられる状態までモデルを作るだけでも相応の時間が必要だった。現在は,AIを活用してその時間を短縮している。AIを導入して制作スピードを高めようとすればするほど,それを支えるコンピューティングパワーも必要になる。今回のThinkStation P8は,まさにこうした新しい制作ワークフローを見据えた構成といえるだろう。
高性能なのに「巨大でうるさい」ワークステーションではない
ワークステーションという言葉から,巨大な筐体や大きなファン音を思い浮かべる人もいるだろう。しかし実際にThinkStation P8を使っているAlcheのスタッフからは,サイズや騒音に対する不満はほとんど出ていない。
クリエイター向けのPCやワークステーションは,性能が最優先とはいえ,オフィスで日常的に使う以上,筐体サイズや騒音も無視できない。
とくに日本のオフィスでは,PCが占有できるスペースにも限りがある。高性能なワークステーションでありながら,設置場所や騒音について特別な準備を必要としないことも,使いやすさにつながっている。
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ハードウェア性能の余裕が,クリエイターの可能性を広げる
ゲームや3DCG制作の要求スペックは,今後も上がっていくだろう。ゲーム機やGPUの性能が向上すれば,モデルはより精細になり,テクスチャは高解像度化し,物理シミュレーションやリアルタイムライティングの利用範囲も広がる。
数年前には十分な性能だったPCが,現在では制作のボトルネックになるというAlcheの経験は,多くのクリエイティブ企業にも当てはまるはずだ。重要なのは,単に「アプリケーションが動くかどうか」だけでPC性能を考えないことだろう。一つのアプリケーションだけなら問題なく動いても,実際の制作現場では複数のツールを同時に使う。さらにWeb会議,画面共有,AI処理,レンダリングなどが重なれば,必要な性能は一気に高まる。
ThinkStation P8のようなワークステーションが提供する余裕は,単に処理を高速化するためだけのものではない。重い処理を実行しているからといって手を止める必要がない。PCが落ちることを恐れて表現を妥協する必要がない。最終品質を全員で確認できる。
新しい「手」を増やし,さらに多くの仕事を並行して進められる。こうした一つ一つの変化が積み重なり,プロジェクト全体のスピードと品質を押し上げている。
コンテンツ制作の現場では,クリエイター自身のアイデアや技術が何より重要だ。だが,そのアイデアを形にするPCが足かせになってしまえば,能力を十分に発揮することはできない。
PCが処理する時間と,人間が創造する時間を切り離し,クリエイターが本来集中すべき仕事に,より多くの時間を使えるようにする。それこそが,AlcheがThinkStation P8によって手に入れた最大の成果なのだ。
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