具体的に何がそう思わせるのかは分からないが,筆者は「なんとなく騎士ってかっこいいよね」という思いを抱いていた。
常日頃から「騎士を疑似体験できるゲームってないかなぁ」と思っていた。その思いを叶えるかのように発売されたのが「キングダムカム・デリバランス」(PC / PS4 / Xbox One / Nintendo Switch / Mac)だ。
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本作の舞台となるのは1403年のボヘミア地方。偉大な王だったチャールズ4世が逝去し,その息子であるベンツェスラウス4世が王を継いだものの,愚鈍な王として知られていた。そんな中,異母兄弟であるハンガリー王のシギスムントがベンツェスラウス4世を幽閉し,ボヘミアへの侵略を開始する――という背景がある時代だ。
主人公はスカリッツに住む鍛冶屋の息子であるヘンリーだ。父の仕事を手伝ったり,酒場で酒を飲んだり,悪友と喧嘩をしたりと,街で平穏に暮らしていたが,さまざまな出来事が切っ掛けで波乱に満ちた人生を歩むことになる。
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平凡な青年が騎士として成長していく物語
ゲームを始めたばかりの段階では,ヘンリーはとても弱い。ただの鍛冶屋の息子であり,騎士として育てられたわけでもないので当たり前の話だ。しかし,そんなヘンリーもゲームプレイを通じて,プレイヤーと共に騎士として成長していく。
ゲームは壮大なメインストーリーがあるものの,基本的には自由に動き回れるオープンワールドだ。さまざまなサイドクエストが用意されており,騎士として善行を積み上げるだけでなく,悪事を働いて生計を立てるなんてこともできる。やれることは多岐にわたるため,どんな道を歩んでいくかもプレイヤーの自由だ。
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例えば,プロローグでは父から「代金を住民から回収し,そのお金で炭を買ってこい」と頼まれるのだが,クエストクリアのアプローチは1つではなく,支払いを渋っている住人を説得したり,力でねじ伏せて取り立てたり,こっそりと盗み出したりといろんな手段が取れる。
最終的に炭を手に入れればいいので,代金を回収する必要もなく,ギャンブルでお金を増やして,炭を買ってもいい。この自由度の高さが本作の魅力だろう。
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プレイヤーは,騎士道を追求するだけでなく何をしてもいい。フィールドに生えている草花を集めて錬金術で薬にしたり,弓をもって森で密猟したり,拾ったボロボロの剣を研磨したり,酒場で酒を飲んで酩酊したり,ダイスゲームに勤しんでお金を失ったりしてもいい。自由気ままにボヘミアの生活を楽しんでもいいのだ。
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その没入感を高めているのが,本作のリアルさだ。ヘンリーは食事も睡眠も必要で,睡眠をとらないと活力が減り,最終的には失神する。食事を取らないとスタミナの最大値が減るし,食べすぎてもスタミナが減る。さらに食料は時間経過で腐るので,序盤は食料の確保に苦労するほどだ。
リアルさは戦闘面でも表現されている。非力なときに重い鎧を着れば動きが遅くなるし,フルフェイスのヘルメットをかぶれば視界が制限される。かといって鎧や兜を着こまないと,斬撃で恐ろしいほどにあっさりと殺されてしまう。この世界で生き残るためには,キャラクターもプレイヤーも鍛え,強くなっていくしか方法はないのだ。
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攻撃には,真上からと左右上段,左右下段の5方向からのものがあり,うまく使い分けて相手の防御を崩していかなければならない。もちろん,これは敵からの攻撃も同様で,プレイヤーは相手の攻撃をしっかりと見切り,適切に防いでいかないといけない。また,実際の剣術を参考にした特殊な技もあり,こちらは特定の順番で攻撃することで繰り出せる。
操作に慣れないうちはボコボコにされがちだが,ある程度練度が上がってくると,歴戦の騎士のような華麗な剣さばきで敵を圧倒できるようになってくる。
攻撃方法には遠距離武器である弓もあるのだが,狙いをつけるクロスヘアなどは存在せず,弓の向きなどでどこに飛んでいくかを覚えるしかない。こちらも慣れないうちは当てるだけでも難しいが,上達と共に強力な武器として機能してくれるようになるはずだ。
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これらのリアルさは,ゲームとしては不便に感じるかもしれないが,その不便さが本作の楽しいところでもある。最初は,鎧を着た敵兵と対峙するのは恐怖でしかないが,戦い方を知り,装備や自身を鍛え,一人前の立派な戦士になったとき,恐怖心はすっかり薄れ,逆に対峙する相手にとってヘンリーが恐怖の対象になっているはずだ。
序盤,中盤,終盤と,戦いの中で成長していくことで,ゲームのプレイ体験に大きな変化が与えられるのも本作の面白いポイントの1つと言える。
没入感をさらに高める,雄大な自然と当時を再現した城や街並み
ボヘミアという日本人にあまり馴染みのない地域を舞台にしている本作だが,開発陣は当時の資料をもとに再現しているという。広大な平原や深い森,当時を再現した城や住居といった建物が没入感を高めてくれる。
城などはファンタジー世界で見るような豪華絢爛なものではない。建物や装飾は当時の基準と比べて立派なもののようだが,戦闘基地の側面も強く持っている作りで,無骨さが際立つ。城に入ることがあればトイレに注目してほしい。中世の衛生管理というものがよく分かるだろう。
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街道には商人や農民,旅人などが往来しているし,野盗やアマン人の兵士,腕試しの騎士などに遭遇することもある。ときに彼らとの遭遇がイベントにつながることもあるのだが,こういった要素の1つひとつがゲームプレイの盛り上がりにも寄与している。
街と村で人々の生活がはっきりと区別されているのも面白い。街は石造りの建物が多く,人々も活気にあふれ喧騒が聞こえてくるが,村は木造の建物が中心で,住人は家畜を世話し,牧歌的に暮らしている。
生活様式がまったく異なるのだが,それこそがリアルに描かれた中世ヨーロッパの姿なのだろうと思いを馳せることができる。
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また,本作には配信済みのダウンロードコンテンツが5つあり,新たな物語やコンテンツを楽しめる。DLCの内容についてはこちらの記事にまとめてあるので,ぜひ合わせてチェックしてほしい。
全5種類のDLCが揃った日本語版「キングダムカム・デリバランス」で,中世ヨーロッパを舞台とした重厚な物語を体験しよう
DMM GAMESが販売中の日本語版「キングダムカム・デリバランス」に,最後の追加コンテンツとなる「ある女の運命」が登場した。発売からおよそ1年で1つの完成形を迎えた「キングダムカム・デリバランス」の5つのダウンロードコンテンツを紹介しよう。
そして本作の続編となる「キングダムカム・デリバランスII」(PC / PS5 / Xbox Series X|S)が2025年2月5日に発売予定だ。大都市“クッテンバーク”が登場し,マップの広さが「キングダムカム・デリバランス」の倍になるなど,ゲームプレイボリュームも相当な量になっているようだ。
「Kingdom Come: Deliverance II」ではプレイヤーの選択がゲームに大きな影響を与える。インタビュー&試遊レポート[TGS2024]
現在開催中の東京ゲームショウ2024にて,Warhorse Studiosが開発中の「Kingdom Come: Deliverance II」をPLAIONブースでチェックしてきた。さらに4Gamerではお馴染みのトビアス・ストルス=ズウィリング氏と,日本人コンセプトアーティストの川谷久海氏に話しを聞いてきた。
「キングダムカム・デリバランス」は,ほかの作品では体験できない,唯一無二の作品だと筆者は思う。「キングダムカム・デリバランスII」が気になっている人は,発売前に本作をプレイしておけば,続編をより楽しめるだろう。タイミングよく年末年始があるわけで,休暇を活用し,中世ヨーロッパの世界でリアルな騎士物語を体験してみてはいかがだろうか。






























