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2015年12月から10年半にわたって連載してきた「結のほえほえゲーム演説」は,今回で最終回となります。
前回はこれまでの10年半分の連載を振り返りました。最終回となる今回は,私がゲームと共にどのような人生を歩んできたのか,ゲームを語るうえで何を大切にしてきたのか,今までご覧くださった読者の皆さんに伝えたいことを書きつくします。どうか最後までお付き合いくださいませ。
結のほえほえゲーム演説:第267回「10年半の連載を本気で振り返ってみる」
2015年12月の連載開始時からおよそ10年半,「いちゲーマー視点で,好きなゲームの話を好きに語りまくる」を続けてきた「結のほえほえゲーム演説」。今回は結さん自らが選んだ「もう一度読んでほしい回」を紹介します。そして最後に,本連載に関する大事なお知らせがあります。
- キーワード:
- ライター:結
- 結のほえほえゲーム演説
- 連載
- OTHERS
ゲーマー歴40年
私が「どんな人生を歩んできたか」を語るうえで,最も多く登場する言葉が「ゲーム」であることは間違いありません。ゲームと共に歩んだ人生には,さまざまな出来事がありました。
■幼少期
物心ついた頃からファミリーコンピュータで「スパルタンX」「ピンボール」「ドラゴンクエストIII」をプレイ。攻略の鍵になると信じて「ぱふぱふって何!?」と質問して父親を困らせつつも,PCエンジン,3DO,X68000などの機器に囲まれすくすく育ちます。
幼稚園,小学校……とゲーム好きの友達に出会えず,孤独な日々を過ごす中「一発逆転でクラスの人気者になりたい!」と一念発起し,テレビ東京「スーパーマリオスタジアム」のゲーム大会に出場。マリオカートやクイズで競い合い優勝を勝ち取るも,同級生にオンエアをアピールすることができず,失敗に終わります。
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■青春時代
「美少女ゲームの女子を参考にすればモテモテになるんじゃないか?」という下心から手に取った「ときめきメモリアル」にどっぷりハマり,全ヒロインを攻略。異性に対してテクニックを披露する機会が訪れないまま,どんどん美少女ゲームにハマります。
趣味でのコスプレ活動がネット掲示板に晒され,校長室に呼び出されるという事件が勃発。肌の露出もない健全なコスプレだったものの「コスプレをするなんてけしからん!」と校長に責められ,自分の趣味が理解されないことにショックを受けます。やさぐれた結果,修学旅行をサボってオタクイベントに行く不良オタクに……。
■芸能デビュー
堂々とオタク趣味を発揮するため,人から認められる職業に就こうと決心し,芸能活動を始めます。某有名ゲームCMのオーディションで「このゲームがいかに好きか」を語るも,審査員から「ゲームが好きかどうかは,どうでもいいんで」とバッサリ否定されます。とうとうマネージャーからは「オタクがバレるから喋らないでくれ」と怒られる始末。
■そして現在へ
そんな私が,ひょんなことからゲーム番組でMCをするようになって15年以上,ゲームコラムを連載することになって10年以上が経ちました。好きなものを好きに語れることが当たり前じゃなかった人生だったからこそ,幸せが一層身に沁みるってもんです。
さらに「この気持ちわかる!」とか「面白そう!プレイしてみよ!」とかコメントしてくれる人がいると,それはもう嬉しかったです。だって私はこんな風に自由にゲームを語れる場所と,皆さんのようなゲーム好きの友達をずっと探していたのですから。
結のほえほえゲーム演説:第1回「結の作り方 〜ゲーム英才教育とこじらせ紆余曲折の賜物〜」
数々のゲーム番組でMCを務める,女優・タレントの結さん(愛称:イトキチ)による隔週連載コラムがスタート。第1回では,「スパルタンX」から始まる自身のゲーム歴と「アイドル八犬伝」&「きんぎょ注意報!とびだせ!ゲーム学園!」について語っています。谷に向かってほえほえ演説。とおる みちあけ,そこのけよー♪
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好きを伝えるということ
コロナ禍をキッカケに,ゲームをプレイする人は大幅に増加しました。推し活ブームの影響もあり,オタクを自称することのハードルもグッと下がったでしょう。そう,今の時代は「みんなが当たり前にオタク」なのです。時代と共にオタクの在り方は変化します。しかしどんなに時代が変わろうとも,私は私のやり方のまま「好き」を貫きたいと思うのです。
人生を振り返ると,貫けなかった「好き」もあります。それは好きな人だったり,他の趣味だったりで,今も心残りがないといえば嘘になるでしょう。だからこそ私は「ゲームが好きだ」という感情だけは,自分のために守り続けます。私はゲームが下手なのでプロゲーマーにはなれませんが,彼らがテクニックを追い求めるように,私はゲームが好きだという感情をとことん追求したいと思うのです。
いち視聴者としての私はもともと「オタクなんです!」「実はゲーム好きなんです!」と主張する芸能人のことを,素直に信じられない人間でした。ゲームが主役である場所で「芸能人が主役を奪ってしまうケース」や「その状況に違和感を抱いてなさそうな様子」に,苦手意識を感じていたような気がします。
そんな面倒なオタクである私が,初めてゲーム番組に出演することが決まったとき,自ら勝手に凄まじいプレッシャーを感じていました。だって脳内に存在している面倒オタクの私が,私の方をじーっと見つめてくるんですよ。ああなんて恐ろしいんだ。
私が何千時間とプレイしたゲームでも,もっともっとたくさんの時間を費やしているプレイヤーが必ずいます。偶然にもこの場にいることを許されてしまったゲームファンのひとりとして,いったい何ができるのだろう……。悩んだ末,絶対に守ろうと決めたことが3つあります。
それは「ゲームが主役であること」「決して嘘をつかない,言葉の純度を守ること」「ゲームが好きという気持ちをとことん貫くこと」です。誰のためでもなく自分自身のために,これだけは譲れませんでした。
もしも100%真剣にゲームと向き合えたなら,メディアというフィルターを通したとしても,1%くらいは「好き」という気持ちが伝わるんじゃないか。そんな想いがキッカケとなり,私の挑戦は始まります。アクションゲームの特訓にプライベートの時間を全て使ったり,不眠不休40時間ぶっ通しの生放送でゲームクリアを目指したり……今考えると正直無茶しすぎだろと思わなくもないのですが,生放送やイベントを通じて,誰かとゲームの楽しさを分かち合えることが,楽しくて仕方がありませんでした。
ゲームメディアが特別である理由
15年で出演させていただいた累計2000本の番組や,10年以上に渡って連載を担当してきたコラムなど,ゲームメディアにはやはり特別な思いがあります。
その理由のひとつに「ひとりで体験したものを共有する楽しさ」があります。同じものを体験した者同士が,それぞれの楽しみ方を持ち寄り,共感したり,異なる考えに触れて世界が広がったり……。どんなに家族や友達がいても,自分が死ぬ瞬間はひとりかもしれません。突然何を言い出すんだと思われるかもしれませんが,人間は孤独です。だからこそ「ひとりの時間を共有する」ことに,特別な温もりを感じるんだと思います。
言語化時代
連載が始まった2016年,YouTubeのキャッチコピーである「好きなことで,生きていく」という言葉が大流行していました。当時の私は,なぜかその言葉がずっとひっかかっていました。ほとんどの人が「自由にやりたい放題生きていく」という意味で捉えていたと思いますし,YouTuberをそのような職業だと認識していたことでしょう。
それから10年後,より誰でも簡単に発信できる時代になり,ただ好き放題やっているだけでは思い通りの状況は手に入らないと気付いた人も多いと思います。私は,あのキャッチコピーの意味は「好きなことを(大切に)生きていく」だったんじゃないかなと思います。どうしたら自分の「好き」を大切に続けられるか……それが重要な気がしています。
突然ですが,世の中は「言語化時代」に突入しています。
映画を観ても,音楽を聴いても,その感動を「言語化」しなければいけない……そんな責任感に駆られていませんか?語彙力不足を嘆くオタクがミームにもなる時代だからこそ,私は声を大にして伝えたい。
言語化なんて,しなくてもいい!!
大切なのは「言語化」ではなく,自分自身のなかに落としこむことじゃないでしょうか。先ほどお話しした「ゲーム体験を共有したい」と矛盾するように聞こえるかもしれませんが,どちらも本心です。誰かと対話することよりも,まず自分自身と対話することが,感動を大切にすることとつながるのではないかと思っています。誰でも発信できる時代だからこそ,語彙力よりも「好き」という気持ちを大切にしてほしいのです。
結のほえほえゲーム演説
10年以上続いた連載が終了することとなり「あたため続けたネタがまだ書ききれていないぞ! どうしよう?」という問題に直面しました。
「ビアンカorフローラ問題に決着をつけよう」「人生初の釣りに行った結果,ゲームに登場する釣りのクオリティが高すぎたことに気付いた話」「恋愛リアリティーショーの構成って美少女ゲームと一緒じゃないですか?」などなど……まだまだ書きたいことが山ほどあります。
というわけで,noteを始めてみました(リンク)。今後はこちらで書き続けていくので,引き続きお付き合いいただけたら嬉しいです。連載を通じて出会えた皆さんと,これからもゲームについて語り合えますように。そして何を隠そう私の幼少期からの夢は「ゲームにまつわる本を出版すること」です。それを叶える日まで,どうか見守っていてください。
ここまでご覧くださった皆さん,もちろん私のX(@xxxjyururixxx)はフォローしていただいていますよね。まだの方はぜひっ。
そして本日なんと,本連載の最終回に合わせてオフィシャルサイトをリニューアルしました(リンク)。フリーランスに戻って1年,ありがたいことにお仕事のご相談をいただく機会が増えまして,あらためて活動をお知らせする場として内容を整えました。オフィシャルサイト内でも触れているのですが,実は今まで「ゲーム番組の企画会議」から関わらせていただく機会も多くありました。番組やイベントの出演はもちろんですが,企画作りもさらに頑張っていきたいと思います。
私のゲーム人生はこれからも続いていきます。明日も私は「好き」を吠えながら,貴方の心に向かって演説します。
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■■結(女優・タレント)■■
女優・タレントとして活動中。国内映画祭にて主演女優賞を多数受賞。幼少期からのゲーム好きが高じ,数多くのゲーム番組でMCを務め,イトキチ(糸吉)の愛称で親しまれている。
公式サイト:http://yui-monogatari.com/
公式X:https://x.com/xxxjyururixxx
ニコニコチャンネル「結チャンネル」:http://ch.nicovideo.jp/yuichannel
YouTubeチャンネル「結チャンネル」:https://www.youtube.com/channel/UCNwmczTygyPzEnouz9tR_Fg/


















