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中国武術の経験者が作るアクションRPG「Sword Sage: Awakening」をプレイ。独自のカウンターシステム“避青入紅”が生む新鮮なプレイフィールとは
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印刷2026/06/26 14:00

プレイレポート

中国武術の経験者が作るアクションRPG「Sword Sage: Awakening」をプレイ。独自のカウンターシステム“避青入紅”が生む新鮮なプレイフィールとは

 中国・上海で開催されたイベント「Bilibili First Look」にて,Sword Panda Limitedが開発し,4Divinityがパブリッシングを担当する新作アクションRPG「Sword Sage: Awakening」(中国語タイトル:猿公剑)の試遊会が実施された。

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 今回の試遊版はこのイベント向けに特別に用意されたバージョンで,体験時間は約3時間となっている。内容は大きく2部構成。1つ目は第1章にあたるチュートリアル部分で,基本操作や戦闘システムの仕組みを確認できる。

消費アイテム「飛剣符」
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 2つ目はチュートリアル部分と比べて敵の強さが上がり,武器や呪符,スキル習得などの要素を活用することが求められる。このエリアのボスを撃破すると,特別に用意された隠しボス「猿公」に挑戦することが可能だ。

 物語は,「白猿越女剣」「平妖伝」などの伝説に着想を得ており,これらをもとに架空の修仙世界を構築している。主人公の三娘(San Niang)は,一連の奇遇を経て,最終的には“猿公”を超え,「剣聖」と呼べる存在へ成長していく。
 開発者によると,本作の物語は「楽しい修仙」を基調にしており,全体としては比較的明るく,軽やかな雰囲気の作品になるという。ただし,作中には多くのサイドストーリーがあり,そのなかには悲しい話や暗い話,あるいは笑える話も含まれているとのことだ。

「白猿越女剣」や「平妖伝」などの伝説では,ひとりの女剣士が越王のもとへ向かう道中で,白い通臂猿である「猿公」と出会い,剣術の指南を受ける。本作の世界観では,猿公の弟子が「猿公門」という門派を設立し,妖怪を捕らえることを使命として受け継いできた
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※以下の操作解説は,XBOXコントローラ基準で行う。

 試遊前の第一印象としては,いわゆるソウルライクに近い作品かと思っていた。しかし,実際に遊んでみると,印象とは異なる手触りを感じ取った。
 本作ではスタミナの概念をなくし,通常の回避アクションも排している。その代わりに用意されているのが,スチームパンク的な意匠を持つ武器の耐久システムと,中国武術の思想を取り入れたカウンターシステムだ。

 本作のプロデューサーを務める武 侠(Sam Wu)氏は,名前そのものが“武侠”であり,自身も中国武術・剣術を習った経験を持つという。その背景もあって,本作の戦闘では,中国武術の考え方が強く反映されている。主人公の三娘は,敵の攻撃を踊るような動きでかわしながら,隙を突いて反撃を入れていく。

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 このシステムは,中国剣術の立ち回りの思想をもとにした“避青入紅”(Evade Cyan, Strike Red)と呼ばれ,「敵の刃筋をかわし,反撃によって紅い血を見せる」という意味だ。一般的なアクションゲームにおける回避の代わりに,本作ではこの避青入紅が戦闘の軸となる。

 具体的には,プレイヤーはLBを押すと防御態勢を取る。その状態で右スティックを上下左右のいずれかに入力することで,敵の攻撃に対して上段,中段,下段に対応した構えを取る。

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 タイミングよく構えると「避青」が発動し,三娘が青い残像を残して攻撃をかわす演出が入る。敵の攻撃をノーダメージで回避できるうえ,武器の耐久力も消費しない。
 通常の攻撃に対しては,どの方向に入力しても避青を発動できる。ただし,敵の攻撃方向に合わせて避青を発動させると,赤い閃光とともに反撃の「入紅」が発生する。回避アクションを排した本作では,敵の攻撃方向を見極め,避青から入紅へつなげることが,主な立ち回りとなっている。

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 一方で,敵の一部攻撃には,上・中・下の攻撃方向が文字で明示されるものがある。この場合は,正しい方向に入力しなければ避青が発動せず,攻撃を受けてしまう。さらに,これらの攻撃に対して避青を成功させると,続く入紅には特別な反撃演出も用意されている。

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 今回の試遊版には,3体のボスが登場した。巨大な石柱を振るって襲ってくる「方相氏」と,錫杖と火炎攻撃を使う「石城野犬」,そして物語上の重要な存在である「猿公」だ。
 ボス戦では,苛烈に繰り出される攻撃のタイミングを見極めて避青でさばきつつ,義足による蹴りなどでダウンゲージを削る。ゲージがゼロになると敵をひるませ,大ダメージを与えていくのが基本の流れだ。

 一方でボス戦では,避青入紅を前面に出すために回避アクションを排したことによる課題も浮き彫りになっている。たとえば石城野犬は,地面から炎を噴き上げる範囲攻撃を使ってくる。避青は攻撃を受け流すには有効だが,ダメージ範囲から素早く離れる手段としては使いづらい。

範囲攻撃を仕掛ける敵「大蚓书生」と「石城野犬」
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 さらに,筆者はダウンから起き上がる途中で範囲攻撃を重ねられ,そのまま立て直せずに倒される場面もあった。状況によっては回避手段の少なさがストレスにつながりかねないため,このあたりが正式版でどう調整されるのかは,気になるところだ。

伝承で猿公が竹杖を使って越女と立ち合ったように,本作に登場する猿公も竹杖を手に,人の域を超えたような剣術で三娘に襲いかかる
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 もう1つの特徴は,スタミナの代わりに,武器の耐久力が戦闘リソースとして機能している点だ。プレイヤーが攻撃やガードを行うと耐久力が減っていき,ゲージがなくなると武器が壊れてしまう。壊れても攻撃自体はできるが,威力が下がるうえ,ガードもできなくなる。

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 耐久力を回復するには,武器を腰に装着した機械的な鞘へ戻す必要がある。ボタンを押すと剣が鞘に収められ,耐久力が回復する。収められた剣を抜きだすと,刃はまるで鍛え直されるように焼かれる演出が見られる。

 従来のスタミナと異なり,武器の耐久力が自動的に回復しないため,このあたりの立ち回りには工夫が求められる。最初は少し戸惑う部分もあったが,慣れてくると本作ならではのリズムとして受け入れられるようになった。

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 武器を鞘へ戻すときに,刃を素早く研ぎ直すような「ガツゥーン」とした音が聞こえてきて熱い。避青入紅を軸にした戦闘とも相性がよく,攻めるか,受け流すか,いったん武器を戻すかという判断に戦略性が生まれている。

本作のキービジュアル。物語上では,民間の人々が妖怪の脅威に対抗するため,機械技術を発展させてきた。ただし,この技術の産物は貴重で,扱えるのは一部の捕妖人や軍人に限られているという
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本作における機械的要素は,中国・道家の「機関術」に由来する。機械的な鞘に加え,三娘の左脚も機械仕掛けの義足となっており,R2を押すことで敵のダウンゲージに大きなダメージを与えられる
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 初期装備の三尺剣に加え,今回の試遊では「斬馬剣」も入手できた。
 これは攻撃速度こそやや遅いものの,威力に優れた両手武器で,溜め攻撃によって大きなダメージを与えられる。避青と組み合わせることで,さまざまな恩恵も得られるようだ。さらに開発陣によれば,これら2種類のほかに「双剣」という武器種も登場するという。

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 ゲーム中では数多くの武器を入手でき,同時に2本まで装備可能だ。X・Yボタンで武器を切り替えながら戦う形だ。各武器は数値や付加効果が異なるだけでなく,武器固有の「絶技」も設定されている。
 絶技は,エネルギーにあたる「混元」を消費することで発動できる強力な技だ。同じ種類の武器であっても,異なる絶技を持つものを装備しておけば,状況に応じた立ち回りが可能になる。

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 RPG要素としては,パッシブ効果をもたらすアクセサリーを3つまで装備できるほか,鞘にジェムのようなアイテムを装着し,さまざまな効果を発動させられる。

スキルパネル
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 さらに,作中では「法宝」という種類のアイテムも入手できる。消費アイテムと違い,法宝は強力な効果を持っており,使用後には一定のクールダウンを挟んで再使用可能な道具だ。

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 試遊では,発動すると自動で1回だけ攻撃を弾き返す法宝を入手した。開発陣によれば,本作では修仙世界らしい法宝も多数用意されており,たとえば無数の飛剣を召喚して敵を攻撃するものもあるという。

マップ画面のビジュアルスタイルは独特で,かわいらしい
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 戦闘システムでは独自路線を取っている本作だが,レベルデザインについてはソウルライクの文法を踏まえた作りになっている。
 プレイヤーはチェックポイントを起点にエリアを探索し,ショートカットをつなげながら探索範囲を広げていく。必要に応じていったん戻り,態勢を整えて次の探索へ向かう,という流れだ。

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 一方で,今回体験したエリアはそれなりの広さがあるわりに,全体像はややつかみにくかった。探索中に,いま自分がどの程度エリアを進んでいるのか,どこまで踏破できているのかを把握しづらく,達成感につながる手応えは少し弱いようにも感じられた。

本作の舞台となる土地を司る霊「緋頭子」は,レッサーパンダのような見た目をしており,お茶の屋台を開いて主人公をもてなしてくれる。どこかレッサーパンダカフェのような気もするが,それはそれで楽しい
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 チェックポイントとして機能するのは,屋台のような場所だ。ここではお茶を飲んで全快したり,丹薬を錬成したりできる。ゲームが進むと利用できる機能も増え,一部の希少な道具を入手することで,主人公の生命値や混元の上限を引き上げることもできる。

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 アクションが苦手なプレイヤー向けの救済要素も用意されている。特定のアクセサリーを装備すれば,防御ボタンを押すだけで,自動的に避青入紅を発動できるという。
 極端にいえば,文字通りワンボタンでクリアできる補助機能だ。世界観は気になるが,アクションに自信がないというプレイヤーにも配慮した仕組みだ。

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 今回体験した「Sword Sage: Awakening」は,初公開時と比べてかなり垢抜けた印象を受けた。
 敵の攻撃を直に受け止めるのではなく,身を翻していなし,そのまま反撃へ移る一連の動きには,中国剣術らしい軽やかさと流麗な華やかさが感じられ,主人公の三娘にふさわしいスタイルといえる。

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 本作は,テイストが定着しつつあるソウルライクをそのまま踏襲するのではなく,独自の思想で別の可能性をつかみ取ろうとしている。避青入紅を軸にしたプレイフィールは新鮮で,そこに本作ならではの魅力を感じられた。

 開発者によれば,現在の開発進捗はおよそ60%。全体のボリュームとしては,メインストーリーで15〜20時間ほどを想定しており,「Sifu」のような中規模タイトルを意識しているという。今回,現地では試遊映像も収録しているので,本稿の解説とあわせて映像で確認してほしい。


  • 関連タイトル:

    Sword Sage: Awakening

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